今月の「諸君!」に二人の識者の論評が載っている。最初に井上章一を採り上げる。

井上章一氏は、根は骨太だが、一見軟弱風に装った本を書く人だ。同様の傾向はこの論にもみられる。「蟹工船」が売れている。このまま労働環境が悪くなって欲しいなという人もいるだろうな...働く環境が良くなれば、左翼に心を寄せる人も減る。それで困るのは誰だ?

不破哲三が「蟹工船」の売れ行きに喜んでいることを肯定しつつも、井上はこう言うのだ。「『蟹工船』がこんなに読まれる現代社会はうれうべきです。はやく、こんなのが見むきもされない世の中を、つくりましょう。小林多喜二も、草葉の陰で歎いているのではないでしょうか」

でもってグローバリズムの進展と左翼、そして民族主義の高まりの関係にさらっと触れたあと、小林の先行したもう一人の蟹工船作家、葉山嘉樹について触れる。

葉山の「海に生くる人々」は、小林が「蟹工船」を書く際に目標とした作品で、「蟹工船」の中にも「海…」を越えようとした跡が見られるそうだ。

そんな小林の文章に触れつつ、「蟹工船」は、当時のワーキングプアに読まれたのか?に関して疑問を呈する。いわゆるケータイ小説に対して、従来の小説読みが批判的に書いているけども、小林は現代のケータイ小説のごとくプロレタリアに詠まれる工夫をしている。それがヘタクソ扱いされるゆえんだが、そうした努力は有効だったのか?

でまたそのキーワードが、猿股なのがこの人らしいwww

一読して、ぼくちん昔見ていた「太陽にほえろ!」で、七曲署で刑事たちが「俺たちがヒマなのは良いことだ」とか言ってたのを思い出した...使い古されてはいるけど、孫子の神髄もここにある名文句だなぁこれは。

共産党が支持されるマーケットを無くすのが共産党の目的のはずなのだが、その点に思いが至る党員はどれほどいるのかなぁ……ま、そんな時代になったら解放同盟と同じで、部落とは関係ない差別に「多角化」するのかもしれないwww