当時の政策委員長に言われたら、反論不能だよね。 

ロシアのウクライナ侵略もあってのことだろう。共産党の志位和夫委員長が、唐突に、いざというときには自衛隊を活用すると語ったことが波紋を広げている。

 実は共産党の自衛隊活用論には、私も大いに関わっている。いま共産党の幹部の人でもこの経過を知っている人は少ないだろう。共産党が「急迫不正の主権侵害が起こった場合には、自衛隊を含めてあらゆる手段を行使して、国民の命と日本の主権を守りぬく」という方針を打ち出したのは、私が共産党の政策委員長だった時だ。自衛隊は憲法違反の存在と言っていた共産党にとって、これまでの方針を大転換するものだった。 

中略
なぜこんな姑息な解釈変更をしたのか。理由は明らかだ。実は、2000年に共産党が打ち出した自衛隊活用論は、平和活動家や党内では評判がすこぶる悪かった。「違憲の自衛隊を活用するなどとんでもない」というのが意見の主流だった。共産党指導部はこの空気を感じ取って、密かに方針の転換を図ったのだ。

 だからこそ藤野保史衆院議員(現在は落選中)が防衛予算を「人を殺すための予算」と発言して、物議を醸したこともあった。当時、藤野氏は共産党の政策に責任を持つ政策委員長であった。それが、この認識だったのだ。しかもこの発言に党内からはほとんど批判の声があがらなかった。

 お分かりいただけるだろう。その時の空気で変幻自在に方針が変わるのが共産党なのだ。ロシアのウクライナ侵略を見て、またまたこの方針を転換して、自衛隊活用論を恥ずかしげもなく打ち上げただけなのだ。また何かあれば転換するのだろう。こんな政党を信用できるわけがない。