IRONNA
人権問題に産経も共産党も朝日もない」と題して、拉致問題告発と被害者奪還に動いていた元共産党の兵本達吉氏ことを書いている。内容自体に新味はないが、兵本氏の言うことを軽視してきた過去の産経の歴史を当時の記者が産経新聞出版から出している。

《昭和53年以来の一連のアベック行方不明事犯、恐らくは北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚でございます》
せっかく画期的な梶山答弁を引き出しながらマスメディアに無視されたのだから、常人なら相当な打撃を受けたはずだが、それしきのことでめげる人ではなかった。

 「そりゃ、ショックだったさ。なにしろ産経もベタ(1段記事)だからな。まあ、共産党の質問だから仕方ないけどね」

 情報交換のため、時々顔を合わせるようになった。私は拉致事件の事実解明を続けてきたつもりだったが、兵本氏の関心は、その先、拉致された被害者たちを、どうやって日本に取り戻すか、にあった。当時、そんなことを考えていた人は、私の知る限り、兵本氏一人だけだ。

共産党の場合、過去の過ちを党史に全く記述しないというわけではない。しかし、分派として糾弾するだけであったり「乗り越えた」みたいな表現でごまかす。自分たちが過去ダメだったことをこうして自ら反省することはない。だから拉致をなかったことにしようとした歴史を反省したりはしない。