こんなの出てたんですね。
1917年の革命で誕生し、1991年に崩壊したソビエト連邦は、20世紀最大の政治事件であったことは異論がないでしょう。
この74年間に失われた人命は、数千万以上です。ロシア革命、内戦、新経済政策、集団化、粛清、第2次大戦に至る一九三〇年代の外交、「大祖国戦争」、なによりも1945年以降、超大国となる冷戦期のソ連、スターリンの死と批判、平和共存とフルシチョフ改革から、ペレストロイカ……。20世紀のもっとも陰惨にして重要な時代を、ソ連国家の中枢で動かした人物が存在しました。モロトフです。
工業化が進展した近代国家の労働者による革命が、農民国家ロシアで勃発したのはなぜか? 党が国家を所有するという転倒した関係はソ連に何を引き起こしたのか? 「古儀式派」という宗教と党中枢との知られざる関係とは?
ソ連・ロシア政治研究の第一人者が、ソ連崩壊後明るみ出た数多の資料を読み解いて、ソビエト連邦という人類史上最大の「社会主義国家」の全貌を明らかにします。2002年刊の選書メチエ『ソ連=党が所有した国家』を大幅に増補改訂した新版です。
読者レビューにあるように一般的な通史のようだが、何のかんのといっても昔の日本共産党のモデルみたいな党というか、こういう政党になりたいなぁと思っていて多くの日本人がソ連に渡り、少なからぬ人たちが異国で命を落とした。
野坂参三にしても確かに悪く言われることが多いが、こういうところで生きていかざるを得なくなったことがそもそも彼にとって良くなかったのかも知れないなんてことも思う。
日本に共産主義革命は人材の払底感が半端なく、いくら革命的情勢がやってこようとももはや起きようもないと思うし、その意味では過去の話だと断ずることもできるが、そんなことよりソ連と対比することで日本になぜ革命が起きないのか、おきなかったのかなんてことを考える材料にするのが正しい読み方なのかも知れない。