西日本新聞11/15
論説委員の目

東京・日比谷公園の向かいに、日本記者クラブも入る日本プレスセンタービルがあり、内外の著名人や有識者が連日、会見や講演をする。
先月27日、同じビルの中で2人の野党党首から同様の言葉を聞いた。安全保障関連法反対
 
の活動で注目を集めた学生や市民のグループに対する賞賛だった。
大学生の「SEALDs(シールズ)」や「安保関連法案に反対するママの会」などについて、民主党の岡田克也代表は「自然発生的に生まれ、政党とは一定の距離感を持ちながら、民主主義とは何か訴えている。新しい芽だ」と高く評価した。
共産党の志位和夫委員長も「一人一人の言葉が輝いている。自分の頭で考え、自分の足で行動する。新しい国民運動だ」と褒めちぎった。「1強自民」に対抗するため、市民グループから支持を受けたい野党の思いは分かる。
それなら野党ももっと歩み寄る努力が必要だ。確かに共産党は、安保関連法廃止を軸にした「国民連合政府」構想を打ち出し、来夏の参院選や次期衆院選での協力とともに、党綱領にある日米安保条約廃棄や自衛隊解消を棚上げにする柔軟な姿勢も示した。
だが、安保関連法反対の5野党間で異なる重要政策は、沖縄の米軍普天間飛行場の辺野古移設や原発問題などほかにも多い。「安保関連法廃止が実現すれば、あらためて衆院を解散する」では国民は安心できない。
野党第1党
 
として本来、野党結集をリードすべき立場の民主党は「わが党を解党しての新党結成はない」「共産党へのアレルギーがある」と言っている場合ではない。大胆に結集して「1強」に風穴をおけるのか、旧来の永田町的構図にしがみつくのか。
シールズは「参院選に野党統一候補が出るなら応援する。政策や立場の違いを超えて選挙協力を」と訴える。エールを送っているつもりで、市民から叱咤されているのは野党だ。さらなる努力もせずに市民を取り込もうとするなら虫がよすぎる。(大西直人) 2015年11月15日 

まぁ何というか、よくある願望を書いただけというか、国民連合政府が実現しないのは民主党のせいだと言わんばかりの論調だが、なぜ民主党内でシロアリ扱いするほどの根強い反対意見があるのか全くわかっていない。

党フラクションのことは最近書いたし、これまでの共産党の野党共闘の非協力ぶりもさんざ書いてきたので、別の視点から言うと、ここで共産党の票に依存した選挙を行うと、民主党(だけでなく他の野党も)基礎体力が落ちてしまうんですね。

自民党がいい例で、公明票にどっぷり依存しているから公明党の意向に逆らうことができない。それでも自民党にはまだ公明票がなくても勝ち抜ける人はそれなりにいるが、民主党には単独で勝てる人が元々少ない。よって公明を取り込んだ自民党以上に共産党の意向に逆らえなくなるのだ。

政治において合従連衡はあっていい。しかしながら共産党に振り回される野党なんて必要だろうか?と、ぼくちん思うぞ。高齢化で体力落ちてもいるしねw