中條高徳と筆坂秀世

JBPRESS
筆坂秀世たんの連載だが、この連載では最高傑作ではないかと思われる出来。

おじいちゃん戦争のことを教えて―孫娘からの質問状 (小学館文庫) [文庫]

中條 高徳

小学館

2002-08

中條高徳氏とは、アサヒビールの名経営者として知られる人だが、同時に孫子の研究家としても有名な人である。日本共産党の元幡多地区委員長のように、孫子も読めないのに孫子を語るクルクルパアとはレベルが違う。

そんな中條氏と筆坂タンが出会っていたとは知らなかったのはボクちんが無知なだけだが、この内容でいつもの引用してテキトーなことを書くのは、ちょっとしんどいので、これを読んだ方はぜひリンク先に直接当たっていただきたい。分かりやすく、それでいて含蓄がある。

Comments

[1. TAMO2]

筆さんの文章は中々含蓄がありますね。

中條さんの本は昔本屋で立ち読みして、戦争がきっかけで没落した旧ブルジョア一家としてはとても納得できないものでしたが、それはともかく。

現憲法に関する見方は全くその通り。で、憲法９条ってのはアメリカを通じた世界への侘び証文であることに、改憲のむずかしさがあるんですよね。

どういうことかというと、米帝は今、自らの軍事的没落の穴を日本に埋めさせるべく、９条絡みの改憲を要求しているのですよ。すなわち、９条絡みの改憲をすることは、対米従属の深化という面があるのです。

この矛盾に一番気づいているのは、多分安倍首相とその周辺ですね。

左側で気づいているのかなあ、と思えるのは小生の知る中ではたった一人、現在のレーニスト（レーニストというのは、小生にとっては信頼すべき左翼）白井聡氏くらいか。彼の『永続敗戦論』は立場によらず読む価値があります。
http://red.ap.teacup.com/tamo2/2023.html

[2. TAMO2]

でもまあ、日本の戦前右翼を継承したいと思っている人間としては、筆さんの右翼評は「ちょっと違う」感が。保守は改良主義、右翼は革命主義なんですよね。

https://twitter.com/tamo2_1965/status/566967901421174784

[3. ＳＬＥＥＰ＠ＴＡＭＯ２さま]

アメリカは軍事的没落なんて全然してませんよ、世界中全部敵にまわしてもよゆうのよっちゃんイカ娘。西欧諸国なんて軍隊リストラしすぎてまともに戦争できないレベルです。
アフガンやイラクは大昔のイギリスとロシアのグレートゲーム時代からああでしたってだけですし。どっちもインドみたいにシーアとスンニで分裂させるのが最善でしょうけどユニオニストのアメリカ人には理解できない、したくないんでしょう。イギリス人の方が中東経営は上手に思えますね。

[4. けろりん]

おもしろそうなので購入。カルタゴ…ナポレオンボナパルトが幼少時、戦争ごっこをする際に兄弟友達らと、だれがカルタゴの役をするかで年中ケンカだったとか…カッコいいヤクドコロなのね。

[5. TAMO2@SLEEP様]

　うむ、失礼。軍事だけを見たらおっしゃる通り。だが、軍事を支える経済まで目を広げると、５０年続いている双子の赤字でヒィヒィ言ってるんですよね。

　それと、戦後の日独の伸長、近年の中国などの伸長があり、かつての絶対的な国力は失われたとみるべきかと。

　日本の場合、圧倒的に強いアメリカの市場などを開放してもらったおかげで経済成長してたわけですが、これは別の見方をすればアメリカの繁栄のおこぼれに与ったわけで。

　そしてそのスキームがベトナム戦争以降ほころび出し、アメリカは日本を「甘やかす」余裕がなくなってるわけです。

　安倍首相の読み切れないところは、一面ではアメリカからの離脱を思わせることを表出しながら、同時に、対米従属を深めかねない（特に軍事部面で）言動をしているところですね。

[6. ＳＬＥＥＰ＠ＴＡＭＯ２さま]

率直に言って双子の赤字はなんか問題なんでしょうか？数十年間ずーっと超大国の地位を維持できたんなら問題ではなったということだと思います。国際経常収支の赤字は逆に言えばそれだけ国内マーケットが大きく輸出産業に依存しないことの表れですね。政府の赤字もハードカレンシー維持の範囲内でどんどんやって国内に金を流通させるべきだと思います。

日独の伸張とは言っても確実に優位なのは自動車と化学薬品、繊維産業だけで、戦前から（ドイツの自動車と化学、日本の繊維）そうですね。日欧からＭＳやアップル、グーグルのような企業が出てこないのは残念ですね。

安倍首相は日米連携で北京の野心を封じ込めようとしてる、シンプルにただそれだけだと思いますよ。

[7. TAMO2@SLEEP様]

　双子の赤字は大問題でしたし、今後はさらに大問題になるでしょう。まず、デタントは軍事費削減のためになされましたが、それは財政赤字削減のためでした。

　今までそれでも何とかなってきたのは、膨大な貿易黒字を積み重ねる日本国などに米国債を売りつけることに成功してきたからです。そのスキームはもう通用しません。すると、買い手の付かない米国債はどうなるでしょうか。

　米国の企業が全体として強いならば、どうしてここ５０年貿易赤字が続くのでしょうか。確かに日本にはアマゾンもグーグルもありません。だけど、地道に世界に貢献している数多くの製造業があります。そして製造業の多くは「製品（物質）」というよりは、それに付随したサービスに移行しています。小生の属する化学産業ならば、東レの水処理なんかが代表的ですね。

　さて、戦後日本の、というよりは、安政の時代の開国から、米国は日本の本質的な「敵」だと小生は一人の右翼思想の持ち主として思っています。安倍首相はその点に自覚的なようで、時としてアメリカに対して鋭い刃を投げかけていて、それがホワイトハウスを怒らせていますよ。ただ、敵であるがゆえに、新潮に振る舞って欲しいとも思います。

[8. KM生]

>米帝
アフガン・イラク・イスラム国
制圧どころか、完全に行詰った「底なしの泥沼亀之助状態」ですな（＾＾）。最早諸国人民を武力で押え付けるのは不可能。
＞対中戦略
憲法9条の範囲内で十分可能＝中国のアキレス腱たる少数民族問題を逆手に取ろう！習近平の嫌がることをしよう！チベット・ウィグル・台湾独立運動家を支援しよう！日本の原発再開反対運動家は、ウィグル族核被害反対の中国核実験反対運動家と連帯しよう！（＾＾）
正にこれこそが、「究極の日中不再戦」なのだ！

[9. ＳＬＥＥＰ＠ＴＡＭＯ２さま]

デタントはまずレーガンの仕掛けた軍拡競争にソ連がまったくついていけなくなってゴルビーが降伏した時点から始まりました。アイオワ級みたいなおばあちゃんまで現役復帰させるぐらい徹底的にやったんですね。その後の湾岸戦争でソ連の兵器はまったくひどいものでしたからゴルビーは先見の明があったのかもしれません。プーチンはかつての夢よもう一度でやってますが、天然資源しか売り物がない国であれはやばいですね。

貿易赤字が続く理由は、結局内需とそれに付随する国際信用力があまりに馬鹿でかいからでしょう。金の延べ棒よりはドルの方が目減りしないと思うからどこの国も買ってるだけです。強制なんてしてないですよ。北朝鮮にいたっては偽ドル札ですからある意味効率的ですね。

黒田投手が広島カープに復帰しましたね。給料はだいたい五分の一になったそうです。野球人気が日米同じぐらいとして全体の国富の比較とすると妥当な気がします。

[10. ＡＳＡ−ＹＡＳＵ@ＫＭ生様]

＞８番 対中戦略に横入り失礼、
実行と同時に、党内に潜む中国盲従分子への“粛清”を敢行しよう。

[11. キンピー]

まぁ、軍事力ってこれまでの蓄積もありますし、アメリカ以外の国がそれに追いつこうと思えばハンパ無いお金が必要になりますから、アメリカの優位は30年やそこらでは揺らがないです。
しかし財政が逼迫しているのも事実で、アメリカは冷戦後の軍縮に失敗したままアフガニスタン・イラク戦争に突入し、気づけば建国以来もっとも長い戦争を戦うハメになっているわけです。

っで、アメリカの経済成長を考えれば、アメリカが「中国封じ込み」などというゲームに乗ってくるはず無いじゃん。
でも日本にもっと軍事的な負担をしてもらいたいから、東アジアの新冷戦構造みたいな単純な敵味方論のアドバルーンが時折アメリカから上がるだけで、当のアメリカはそんなこと考えちゃいない。
米ソ冷戦時代でも「日本人は軍事に無知だから経済を理由にすればホイホイついてくる」と言われて出てきたのがシーレーン防衛。
「あんた油はどこから買ってんの？」「ちょっとは負担してよね」とか言って。
でも実際に配備されたのは、ソ連封じ込みのための潜水艦。

[12. KM生]

>歴史は繰返す
ローマ帝国への富と軍事力の一極集中→強く豊かなローマがローマ人の誇り→兵役の義務と豊かな生活の享受→労働を忘れて厭戦気分→傭兵に頼る→ゲルマン人傭兵隊長に滅ぼされる
米帝への富と軍事力の一極集中→強く豊かな米国が米人の誇り→兵役の義務と豊かな生活の享受→多国籍資本が利益を求めて国外進出→格差社会の進行→誇りの喪失と厭戦気分→傭兵頼みで日本にも役割分担を求める→（＾＾）

[13. ＳＬＥＥＰ＠ＫＭ生さま]

ローマの場合、気候変動の影響が指摘されてますね。というか中東、インド、中南米における古代国家のパターンは乾燥化が都市人口を支えられなくなって・・・ということらしいです。