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 「辺野古移設」もはや絶望

共産党本部で大歓待を受けた翁長は「オール沖縄」のシンボル。辺野古で活動家と機動隊が衝突し、初の逮捕者が出た。


2015年2月号 POLITICS [権謀術数が渦巻く沖縄]


DCIM0739ということで、翁長知事誕生で辺野古移設は無理でッしゃろという記事。内容的には、辺野古移設は実現できず、普天間基地は固定化されるだろうということで、オバマ大統領と安倍総理の間のぎくしゃくした関係と、昔のVH46ヘリの航続距離から計画された基地の計画もオスプレイがある時代にはすでに時代遅れとなっている状況の説明。

安倍総理と沖縄の関係がぎくしゃくするのは沖縄は元々経世会が面倒を見ていて他派閥が無視ししていたのに、小泉政権が経世会を潰したので経世会につながる翁長としては今の自民党は面倒見が悪すぎると言うこと。

そして沖縄は独自にアメリカでロビー活動まで始めていたり、裏で進む権謀術数を詳細に書いてある・・・結局辺野古はだめっしょという。

で、共産党に関する部分はこちら。赤嶺政賢の動きに注目w

沖縄が波立っている。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する保革相乗りの「オール沖縄」態勢ができあがり、政府・与党は昨年1年間に名護市長選(1月)、県知事選(11月)、衆院4小選挙区(12月)で全戦全敗。「逆らう者は許さない」とばかり、年末に上京した翁長雄志(おながたけし)知事との面会を首相・外相・防衛相・官房長官がこぞって拒絶し、2​0​1​5年度予算案で移設経費の一挙倍増(約1​5​0​0億円)と振興予算の大幅減額という石つぶてを投げつけた。


翁長氏は代わりに訪れた県議会与党の共産党本部で大歓迎を受け、「赤い沖縄」を印象付けた。衆院選での共産党躍進が面白くない安倍官邸の神経を逆なでしたのは間違いない。辺野古では1月10日夜から翌日未明にかけて作業再開の駐車場整備のため集まったミキサー車など十数台を巡り反対活動家たちと機動隊が衝突、昨年夏から始まった抗議行動で初の逮捕者が出た。国の強硬姿勢と地元の反対機運は、年を跨(また)いでさらにヒートアップしている。

 


県内全政党・自治体が参加する経験の反復が、「オール沖縄」の基盤になった。翁長氏は10年知事選で仲井真氏を支えた後、12年のオスプレイ闘争、13年の対政府「建白書」提出で全県共同代表となり、途中から潮流の真ん中に居場所を固めた。力の所在に鋭敏な現実政治家の嗅覚で、今は流れに乗るに如くはないと仮面を被っているのか、新県政の標語である「ウチナンチュー(沖縄県民)の誇りと尊厳」に本心から目覚めたのか。共産党は「裏切り防止」のお目付け役として、副知事・総務部長・知事公室長・基地防災統括監の4ポストを要求しているとされるが、翁長氏は副知事に、地元・那覇市の盟友である浦崎唯昭前県議(71歳・自民党離党)と安慶田光男前那覇市議会議長(66歳・同除名)を任命。妻の近親、岸本義一郎氏(56)を特別秘書に選んだ。自民党に反旗を翻して勝った論功行賞と身内で固める分かりやすい人事である。

政治家らしいしぶとさ、したたかさが備わっている。見極めを要するのは、根っからの保守なのに「反移設」を掲げる、その中身だろう。沖縄1区で勝った赤嶺政賢・共産党県委員長は、知事選で最後まで翁長氏支持を渋った。「反移設」ではあっても日米安保に賛成し、政策上は共産党と相容れない。知事の椅子への野望を遂げるため、左翼を利用するだけなのではないか、という疑いが拭いきれないのだ。沖縄では56年「島ぐるみ」闘争の後、72年の本土復帰後は軍用地代や公共事業の恩恵で「反基地」闘争は停滞した。再燃したのは冷戦終結後、いずれも10万人規模で行われた3つの県民大会、07年「沖縄戦集団自決否定の歴史教科書撤回」、09年「普天間閉鎖・撤去と辺野古移設反対」、12年「新型輸送機オスプレイ配備撤回」からである。