TAMO2師匠のコメント

今日、面白い本を購入しました。購入する決め手になった文章を、貼っておきましょうかね。
従軍慰安婦と靖国神社 一言語学者の随想
田中 克彦
KADOKAWA/角川マガジンズ
2014-08-09



 P78
 慰安婦たちは、英語で sexual slavery と呼ばれているらしいが、慰安婦を slave と訳すのは、この日本語をつくったときの工夫や配慮が示されていないだけでなく、その semantic な機能上の一面だけを切りとって示した点で適訳とはいえない。描かれるイメージはどのようなものであろうか。などなど、ドレイということばを用いるにはい ろいろ問題がある。

 だから「性ドレイ」とは、慰安婦をなるべく悲惨なイメージで売り出そうという、英語によって打出した安手のイメージ戦略に奉仕する道具となり、決して公平で、客観的ではない。


知らない人のために書いておくと、この田中先生「フランス万歳」の名台詞で有名なドーテの「最後の授業」のプロパガンダ性を喝破して、日本の教科書からこの小説をなき者にしてしまった豪腕の言語学者。
ことばと国家 (岩波新書)
田中 克彦
岩波書店
1981-11-20

によって、「最後の授業」は、日本の教育界から葬り去られた・・・感動など政治的に利用されるものだという警告だとぼくちん読んだ当時感じたな・・・読んでいてぞっとしましたよ。

この手の碩学は、下手なネトウヨやバカサヨはもちろん不和志位でも歯が立つわけがない。そんな人が慰安婦問題に切り込んできたと言うことは、この問題の決着がつくのか近いことを予感させるような気がする。