第一回はこちら
第二回はこちら
穀田邸に突撃する前に残っていた大きな問題、それはどうやって穀田を外に誘い出すのか?
早川
「普通にチャイムを鳴らしても、私だと分かったら絶対にドアを開けないと思うんだよね」
ぶさよ
「なるほど、私が行かなきゃいけませんね」
早川
「お願いします。でもどうしようかな、宅配便ですって言ってもらおうかな?」
ぶさよ
「ちょwww、私の服装見て下さいよ。どうみても宅配便のおにいちゃんの服装じゃない」
早川
「そうだねぇ……」
ぶさよ
「近くの支部の名前分かります?なんとか支部の新入党員ですけどってあいさつに行くとか」
早川
「近くの支部の名前は分かるけど、新入党員があいさつに来るって習慣ないからねぇ」
ぶさよ
「じゃ刑事のフリして『警察のものですが』はどうです?」
早川
「ぐわっ、そんなこと言ったら、絶対に出てこないってw!」
困った困った・・・10分ほどうんうん唸っていたが妙案は出ない。
早川
「町内会の回覧ですっての、ありかも知れない」
ぶさよ
「それいいですね、でも町内会って地域によって呼び名が違いますからね。自治会だったり町会だったり、その地域でなんと呼ばれているのかわからないとだめです・・・そうだ!近くに引っ越ししてきた人が挨拶に来たってのはどうですか?」
早川
「それしかないかも知れないねぇ……」
新しいご近所さんがあいさつに来たということでドアを開けてもらっても問題は残る。穀田を表に出さないといけないのだが、どうやって誘いだすか妙案はまだないのだ。
さらに10分経って、もうこれ以上考えていてもしょうがない。どうするかは突入してから状況を見て考えよう・・・。
玄関の前に立つ。玄関から見えないところで早川氏が隠れている。目で合図しあった後、玄関の階段を登ってチャイムを鳴らす。
第二回はこちら
穀田邸に突撃する前に残っていた大きな問題、それはどうやって穀田を外に誘い出すのか?
早川
「普通にチャイムを鳴らしても、私だと分かったら絶対にドアを開けないと思うんだよね」
ぶさよ
「なるほど、私が行かなきゃいけませんね」
早川
「お願いします。でもどうしようかな、宅配便ですって言ってもらおうかな?」
ぶさよ
「ちょwww、私の服装見て下さいよ。どうみても宅配便のおにいちゃんの服装じゃない」
早川
「そうだねぇ……」
ぶさよ
「近くの支部の名前分かります?なんとか支部の新入党員ですけどってあいさつに行くとか」
早川
「近くの支部の名前は分かるけど、新入党員があいさつに来るって習慣ないからねぇ」
ぶさよ
「じゃ刑事のフリして『警察のものですが』はどうです?」
早川
「ぐわっ、そんなこと言ったら、絶対に出てこないってw!」
困った困った・・・10分ほどうんうん唸っていたが妙案は出ない。
早川
「町内会の回覧ですっての、ありかも知れない」
ぶさよ
「それいいですね、でも町内会って地域によって呼び名が違いますからね。自治会だったり町会だったり、その地域でなんと呼ばれているのかわからないとだめです・・・そうだ!近くに引っ越ししてきた人が挨拶に来たってのはどうですか?」
早川
「それしかないかも知れないねぇ……」
新しいご近所さんがあいさつに来たということでドアを開けてもらっても問題は残る。穀田を表に出さないといけないのだが、どうやって誘いだすか妙案はまだないのだ。
さらに10分経って、もうこれ以上考えていてもしょうがない。どうするかは突入してから状況を見て考えよう・・・。
玄関の前に立つ。玄関から見えないところで早川氏が隠れている。目で合図しあった後、玄関の階段を登ってチャイムを鳴らす。
即座に「はい」と声が返ってきて、五秒もしないうちにドアが開いて和装の女の人が顔を出した。この人が穀田恵二の奥さんか・・・。
60歳はゆうに超えているはずだが、かなりの美形だ。イメージ的には「美味しんぼ」の荒川絹絵を2段階美人にしたようだと考えていい。玄関応対の身のこなしもなかなかのもの。華道の先生や一流ホテルマンのようなプロの動きではないが、プロの動き方をそこそこ知っている上に、来訪者を歓迎する陽性のエネルギーをふんだんに発している。鎧が見えるプロよりも隙があって親しみやすく、好印象なのだ。穀田ちん、こんないい奥さんがいて浮気はイカンだろ……ビクたんがどんな人か知らないけど。
それと、ちょっと心が痛んだね。この人が知らない、この人を悲しませる事実を知っているから。もちろんこの場で言うつもりはない。
しかし、そんな感傷に浸っている余裕はないのだ。あたりさわりのない会話を続けながら、穀田をどうやって外に誘い出すのか、頭はさきほどからフル回転している。奥から穀田の声が聞こえる。電話しているようだ。
勝負に出る。
「あの、もしかして穀田さんって、国会議員の?」
「そうです。共産党の穀田恵二です」
「ああっ、やっぱり。家の前のポスターといい、穀田の名字といい、もしかしてと思っていたんですよ。せっかくですから、ごあいさつさせていただきたいのですが」
「そうですね、でもすみません、今電話中です」
「そのようですね、ここで待っているのもなんですから、外でお待ちしています」
そう言って外に出た。
All Clear!大成功!
後は待つだけだ。
そして数刻後、穀田恵二が玄関ドアを開けて現れた・・・
三回予定だったが、もう1回か2回つづく
60歳はゆうに超えているはずだが、かなりの美形だ。イメージ的には「美味しんぼ」の荒川絹絵を2段階美人にしたようだと考えていい。玄関応対の身のこなしもなかなかのもの。華道の先生や一流ホテルマンのようなプロの動きではないが、プロの動き方をそこそこ知っている上に、来訪者を歓迎する陽性のエネルギーをふんだんに発している。鎧が見えるプロよりも隙があって親しみやすく、好印象なのだ。穀田ちん、こんないい奥さんがいて浮気はイカンだろ……ビクたんがどんな人か知らないけど。
それと、ちょっと心が痛んだね。この人が知らない、この人を悲しませる事実を知っているから。もちろんこの場で言うつもりはない。
しかし、そんな感傷に浸っている余裕はないのだ。あたりさわりのない会話を続けながら、穀田をどうやって外に誘い出すのか、頭はさきほどからフル回転している。奥から穀田の声が聞こえる。電話しているようだ。
勝負に出る。
「あの、もしかして穀田さんって、国会議員の?」
「そうです。共産党の穀田恵二です」
「ああっ、やっぱり。家の前のポスターといい、穀田の名字といい、もしかしてと思っていたんですよ。せっかくですから、ごあいさつさせていただきたいのですが」
「そうですね、でもすみません、今電話中です」
「そのようですね、ここで待っているのもなんですから、外でお待ちしています」
そう言って外に出た。
All Clear!大成功!
後は待つだけだ。
そして数刻後、穀田恵二が玄関ドアを開けて現れた・・・
三回予定だったが、もう1回か2回つづく