しんぶん赤旗日刊紙は、やめてしまうのが一番いいのだけど、中央委員会はどうしても残したいようだ。じゃ残すのはどうすればいいのか。おそらく選択肢はネット配信しかない。

出版業界をいま揺さぶっている問題と言えば、言うまでもなくネット配信にいつシフトするのかだ。いつかネット配信が主流になるのはわかっている。しかし多くの会社が率先してやらないのは、

1.課金の問題→ネット情報はタダだと思っている人たちが買ってくれるのか
2.既存出版物との価格差の問題→ネット配信は、既存出版物には必要不可欠であった製作・流通コストが大幅に減り、低価格を要求されるため既存の本が売れなくなる

この二つに不安があるからだ。不安になるのは当然。しかし、不安を持たなくても良いメディアがある。すでに赤字のメディアである。そもそも儲かっていないから既存の利益を失うことがない。

たとえば新潮社の雑誌、フォーサイトは良質な雑誌として知られていたが、赤字体質から抜け出せず休刊と相成った。しかしウェブ版に移行することで復活を模索している。

赤字体質と言えば、しんぶん赤旗日刊紙はいぜんから億単位の赤字を出す体質から抜け出せない。全国紙なのに40万部も満たない発行部数で黒字を出すことがそもそも無理なのだ。こうしたメデイアはネット配信にそれほど不安なくシフトできるし、しなければならない。

ところがそうは言っても上記のような不安はあろう。そんなことをしたら赤旗買ってもらえなくなるのではないか。読者の平均年齢が60歳程度なのに、IT機器使わないと読めない新聞など見向きもされないのではないかと心配されるかも知れない。

そうした心配が的中することはないとは言わない。しかし赤旗は他のメディアより成功はしやすい。なぜなら、赤旗読者の大半は党員を中心とする固定読者だからだ。今日、赤旗日刊紙を定期購読しているような人は熱心な党員か支持者、そして政治関係者くらいのもの。そんな人はネット配信になったからと言って逃げ出したりはしない。

ましてやネット配信によって月2900円の月額購読料が、仮に1980円にできるとしよう。価格が下がることによって、日刊紙の新規獲得は今よりも容易になる。どうしても紙が欲しい人には日曜版を勧めればいい。日曜版の部数が増えればその分日曜版の黒字も出る。

もちろん、ネット配信に移行することで、あかつき印刷など赤旗で飯を食っている会社は日刊紙の仕事を失うことになる。しかし日曜版は残っているし、事業の再構築は遅かれ早かれどうせやらなければならないことだ。
赤旗配達のアルバイトも毎日の配達のアルバイトを失うことになるが、新聞配達、集金が負担になっている党組織からは歓迎されるだろう。

どうせ赤旗事業の再構築はやらねばならないのだ。やるならさっさとやった方が傷口は浅い。