J-CAST会社ウォッチに城繁幸氏の「非正社員」本当の味方はだれかという記事があった。いやはや、大変分かりやすい分析である。

   まず、現在の雇用問題はしばしば労使対立を軸に語られることが多いが、資本階級も労働者階級も明確には分かれていない現在、それは大間違いだ。正確に言えば、現状の雇用構造に対する肯定派と改革派に分けられるべきだろう。

   たとえば、連合は正社員の長期雇用自体を維持すべきと強烈に主張しているわけだから、裏返せば今の格差構造を残せと言っているようなものだ。 奥谷さんと違ってなかなか尻尾は出さないが、派遣切りの最中に悪びれもせずベア要求しているわけだから、認識としては彼女と大して変わらないレベルだろ う。

   これは連合に食わせてもらっている社民党やその下請け活動屋・似非ユニオンも同じで、彼らは「労働者同士で連帯しよう」なんて聞こえの良いこ とは言うが、絶対にスポンサー様である連合の既得権見直しには言及しない。こういう連中はガス抜き専門の火消し部隊とみていい。

   共産党は確信犯というより単純に頭が悪いだけだろうが、「全員正社員で完全雇用実現!」などと明らかに不可能なことをやれというのは、結果的に現状の肯定にしかならないので、これも現状肯定派とすべきだろう。

   つまり、この人たちと奥谷さんは、「派遣さんは可哀想」「いや自己責任でしょ」という居酒屋レベルの議論を延々やっているだけで、結果的に「派遣さんが正社員のために切られるのはしょうがないよね」という点では一致しているわけだ。

かなり辛辣な意見だが、全く正しいと言えるだろう。というか、現在共産党が面倒見ているという派遣切りされた労働者にしても、緊急避難先として見ているだけで、共産党の言うことが正しいとは思っていないだろう。

ではどうすべきなのか?城氏の言う「派遣さんかわいそう×改革派」とはどんな属性の団体になるかというと、城氏にも全く見えていないのが実態だろう。もちろん私にも見えない。

ただ、その担い手は社民党でも共産党でもなく、既存政党の保守派になるだろうと与謝野三役大臣を見ながら思うぼくちんであった。