経済時評・・・まぁ、ひどい。いちいち引用するのもバカらしいから一部だけ。

しかし、GMの経営不振の背景には、短期的な利益を追求し、経営者と株主への利益配分を最優先する米国流経営の行き詰まりがあります。そのために、 欧州や日本、中国、インドなどの新興国も加わった激しい新車開発競争に敗北したのです。著名な自動車産業アナリストのマリアン・ケラーは、すでに『GM帝 国の崩壊』(原著は一九八九年)のなかで、巨大化したGM経営の病根を指摘しています。

新車の開発にビッグスリーは後れを取ってはいない。技術的に劣ってもいない。ホンダの可変シリンダーシステム同様の技術だって持っている。燃費も悪くない。

問題は世界で売れる車、特に小型車を作れなかったことにある。日本車が売れ始めた第二次オイルショック直後に、GMはそのことに気がついていた。そんな時にアメリカで流行していたのが、ポーターの経営戦略だったのがつまづきの始まり。

競争優位の戦略?いかに高業績を持続させるか
競争優位の戦略?いかに高業績を持続させるか


日本車の強かった小型車に殴り込みをかけ、小型車も作れるメーカーに脱皮すべき時に、「選択と集中」戦略をとり、自分たちの強い大型車市場に逃げ込んだ。そこを日本や欧州のメーカーが20年かけて蚕食しているところにサブプライムショックががやってきた・・・。

GMが小型車を作ってこなかったわけではない。しかし、力を入れてこなかったのは確かだ。キャバリエに至ってはトヨタが売ろうと懸命になっていたのに、日本側がGMの熱意が足りないとこぼしていたくらいである。

個人的には、ポルシェ(フォルクスワーゲンを傘下に持つ)やトヨタあたりが買収するくらいしか救済策がなさそうな気もする(小型車が作れなければ、どうせ未来はないから)

ついでに指摘しておこう。

 GMが開発・発展させたモデルチェンジなどのマーケティング手法、投資収益率などの会計手法、分権化などの組織手法などは、今日にいたるまで、大企業の 経営手法の模範として定着してきました。P・F・ドラッカーがGMを調査して書いた『会社という概念』、A・D・チャンドラーがGMとフォードを比較した 『競争の戦略』、GMの経営者だったA・P・スローンの『GMとともに』などは、経営学の古典的著作になっています。

間違えるなよ....「GMとフォードの比較」も笑止千万。チャンドラーの本に出てくるのは、デュポン、GM、スタンダードオイル、シアーズローバック。「競争の戦略」にはありとあらゆると言っていいほどたくさんの会社のことが載っている。GMとフォードの比較なんてあったって1ページ分くらいのはず。(確認のため読み返していないけどね)
組織は戦略に従う
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