しんぶん赤旗で連日、大分県の教員採用汚職の報道をしているのだが、堤栄三共産党県議の話に疑問が……

今回の事件は、行政の人事権というもっとも介入してはならない部分で、県議や国会議員が口利きを行っているという実態が明らかになっています。
(中略)
行政でおかしな点があれば、議会の場で指摘するのが本来の姿です。
(中略)
政治家の介入を許さないためには、民主的で透明性のある教育行政の確立が必要です。

今回の事件の問題は、政治家が不正な採用の口利きを行ったことにあっても、行政の人事権への介入にあるのではない。政治家が行政に介入しなければ、怖いものがなくなって、それこそ官僚の思うままに行政が牛耳られてしまう。

堀氏は、もちろんそうした批判を想定して「議会で指摘」なる方法があると書いているのだが、指摘されただけで官僚は言うことを聞くか?議会で問題にされたら将来出世の目がなくなるとか、左遷されるなど、議会が人事に影響力を持っているからこそ「指摘」が意味を持つのだ。

日本共産党が憲法を守ろうと言うからには第15条も当然その範囲に入るわけだが、これに関心を持たないのはいったいどうしたことか?憲法で規定がされていようと、実態は国民に公務員の任免権などないに等しい。それをなんとかできるのが政治家ではないのか?

口利きが悪いのではない。人事権への介入が悪いのではない。不正を行うのが悪い。その違いがわからず、政治家の手足を縛ることばかり提案していると、ほかならぬ共産党議員も有権者の代表にふさわしい仕事が出来なくなることに堀氏は気がつくべきだろう。