大阪府委員会副委員長となられて、ますます快調のたけし先生、さっそく故正森成二氏の「質問する人逃げる人―議会(国会)の論戦はどのようにするのか」に学んでいないことがばれてしまいました。

さっそく検討してみましょう

 政府統計によっても、1997年度から2006年度までの9年間に、資本金十億円以上の大企業の経常利益は、15.1兆円から32.8兆円に2・2倍にもふくらみ、史上空前の儲けをあげています。ところが、同じ時期に、これらの大企業が納めた税金は、12.1兆円から13.7兆円とほとんど横ばい。法人税率を大幅に引き下げたうえに、5兆円を超える特権的な大企業減税をおこなってきた結果です。

 さらに同じ時期に、株主への配当金は、3.1兆円から12.0兆円に約4倍にもなり、株取引をおこなう大資産家も大もうけを手にしています。ところが、株の譲渡や配当への税金の引き下げ、大金持ちへの所得税の引き下げなどによって、この間大資産家には逆に2兆円もの減税がおこなわれてきたのです。これほど「逆立ち」した税制はありません。

ふむふむ……
大企業の経常利益は17.7兆円増えた。
五兆円を超える減税があったので、法人税は1.6兆円の増にとどまる。
株の配当は8.9兆円増えた。
大企業はもうかったものの、減税額以上に配当を出しているわけですね?

ところでたけし先生、個人株主が順調に増えていることはご存知でしょうか?東証の株式分布状況調査によれば、11年連続で増、平成18年では120万人増えて、3928万人になったおるそうです。

そして個人株主は、今年こそ全株式に占めるシェアは1パーセント減少していますが、株価上昇率の高い銘柄ほどシェアが低いことから、これは安い時に買った株を高い時に売ったためシェアが落ちていると見受けられるようです。

これが、何を意味するかわかりますか?貯金しても金利が低い、だから株式でなんとかしようなんて思っている人たちの希望を、たけし先生は打ち砕こうとしているのです。なるほど金持ちの個人株主も大いに儲けていることでしょう。しかしそれを規制しようとすると、賃金が上がらない中、なんとか埋め合わせをしようとしている三千万を多分こえる人たちの埋め合わせのチャンスを無くすことに繋がるのですな。

昔の日本の金融の問題点とされていた家計の貯蓄率の高さは、最近はかなり減少したようで、下手するとアメリカ並になさすぎることを心配しなければならなくなってきたという情勢下、金融政策は預金金利の引き上げなど、そろそろ手を打たねばならなくなっているのは確かです。しかし、必要な政策は日本共産党、そしてたけし先生が考えているほど単純ではなくなってきているのです。

ではどうすればいいのかについては、目標水準を見据えた預金金利の利上げの他、すぐにはぼくちん思いつかないけども、一つ言っときましょう。故正森正二氏は、そうした近代経済学の論理を十分理解した上で、キミたちの論理にのるとこうなるんじゃないの?と質問するから保守系の論客たちも唸らざるを得なかったのです。

たけし先生が正森正二氏の本をバイブルと言うくせに、全く学んでいないのがまたばれました\(^^)/

98年に私が参議院議員となる前に正森さんは健康を害されて引退。残念ながら国会活動をご一緒する機会はありませんでしたが、正森さんが引退後に出版され た本「質問する人、逃げる人」は、私たち新人議員にとって国会質問とはどういうものかを学ぶバイブルともいうべき本でした。私も繰り返し読みましたが、逆 に読めば読むほど正森成二という山の高さに、肩の荷が重く感じたものです。

こんなこと書いちゃって、正森先生、草葉の陰で泣いておられますよ……。