今度は文春が「赤い貴族」告発その2

その2では、記事内容に触れてみよう。
まず赤旗まつりの大きさ……公称二十万人……について触れた後、参加者の高齢化とチケット売上の不振について書いた後に、党内に不破哲三タンに対する不満が渦巻いているという。

不満のもとは、不破タンが引退したのに、特権的な立場を維持していることにあるという。その前兆は既にあらわれており、その象徴として当ブログもあちこちで目撃した筆坂秀世の新潮新書「日本共産党」の批判キャンペーンが、党内の反発を受けて突如止まったことを挙げる。

で、実際にどんな特権があるのかというところで、記者はまず神奈川津久井町の不破邸の様子を描写する。玄関から内部の広さ、建物4棟うち二つは、共産党の名義だという←私邸だろ!

その他、渋谷に最高幹部専用の「千駄ケ谷寮」なる施設も使っているようだ。


次に収入。問題にされているのは、本を出した印税と、新聞雑誌に書いたらもらえる原稿料が全く党に還流されていないことだ。共産党議員は、議員歳費から党に多額の寄付をするのが通例だが、党の資源を使って稼ぎ出された印税や原稿料からのカンパがないとのこと。

議員時代から現在まで、ほとんどが印税と原稿料だと思われる不破タンの雑収入について調べ上げてあるようだが、平成16年には1200万越えの印税を手に入れていたと推測される。

ここで、少々私見を書くが、なるほど1200万円の印税収入は多額だが、驚いたのは、不破タンの著書の刷り部数の少なさだ。もちろん、本は増刷されればその分著者の稼ぎも増えるのだけど、不破氏の立場で「最低三千部」の刷り部数は、意外に少ない気がした。

というのは、創価学会や幸福の科学ほどではなくとも、ある程度大きな組織(宗教団体の教組や茶の湯の家元とか)のトップが書いた本は、組織の人間が買うから刷り部数はもっと多いはず。実際、そうした本で数十万部を売り上げて、それを元にして中堅どころの出版社になったところはいくらでもある。

日本共産党は、40万人ほど党員がいるのだ。そのトップである不破哲三の著作の刷り部数が最低の場合と留保がつくにせよ、3000部は少なすぎる。とはいえ、新日本出版社の経営が思わしくないことも書いてあるから、間違いはないのだろう。
新日本出版社のような完全固定客のいる出版社の経営がしんどいなんて、普通で考えられない、それだけ事態は深刻だ。

オマケは、不破夫人に付けられているあだ名「あーせー江青」。共産趣味者は知っていても、一般のひとには初耳だろう。

多くの党員が、党勢減退で経済的にも苦境に耐えている時節柄、既に引退しているはずの人物にカネが流れ込むシステムを党員はこれからも許すのか?

赤旗まつりの開催を狙ってきたとしか思えない、この記事の最後には、こう書いてある。

不破氏の講座は「赤旗まつり」初日に開かれる。不破氏は、集まった党員に何を語りかけるのだろうか。

給与の欠配・遅配に苦しむ党員。不破哲三の言う通りに活動して、党勢が衰退してきたのを見てきた党員。そんな人たちに、こう語りかけているようである。

不破哲三も打倒できない者に、安倍政権が打倒できるのですか?