たけし先生恒例の、文学賞受賞作論評が、また行われました。
今日は一日デスクワークでした。溜まっていた事務を処理したり、本屋さんで見つけて買ってあった伊藤たかみ氏の第１３５回芥川賞受賞作「八月の路上に捨てる」を読んだり、日中は事務所ですごしました。
芥川賞受賞作を読むのがデスクワークとは、さすがは文芸評論家たけし先生ですが、毎度のことながら、「『純文学』の不作」を嘆いてられまつ。特に気に障ったのは、ここなのでしょう。
敦にしろ知恵子にしろそのように歯車が狂い始めたのはいったいなぜなのか、夫と離婚しても力強く子育てを続け、新たな伴侶を自ら見つけ出そうとしている「水城さん」という肯定的な人間像に照らして、自分たちの足元の不確かさを、ただ「不確かだ」という地点において足踏みするのではなく、真剣に見つめなければならない気がします。純文学は決して「人間の妙味」を描くことだけでよしとすべきものではないはずだからです。
今日は一日デスクワークでした。溜まっていた事務を処理したり、本屋さんで見つけて買ってあった伊藤たかみ氏の第１３５回芥川賞受賞作「八月の路上に捨てる」を読んだり、日中は事務所ですごしました。
芥川賞受賞作を読むのがデスクワークとは、さすがは文芸評論家たけし先生ですが、毎度のことながら、「『純文学』の不作」を嘆いてられまつ。特に気に障ったのは、ここなのでしょう。
敦にしろ知恵子にしろそのように歯車が狂い始めたのはいったいなぜなのか、夫と離婚しても力強く子育てを続け、新たな伴侶を自ら見つけ出そうとしている「水城さん」という肯定的な人間像に照らして、自分たちの足元の不確かさを、ただ「不確かだ」という地点において足踏みするのではなく、真剣に見つめなければならない気がします。純文学は決して「人間の妙味」を描くことだけでよしとすべきものではないはずだからです。
「八月の路上に捨てる」を読んでもいないし、読もうとする気もないbusayo_dicでつが、離婚し、また結婚しようとする者と、これから離婚しようとする者との対比に、この小説のたくらみがあることくらいはわかりまつ。そのたくらみに切り込むのが文芸評論の腕の見せ所だと思いますが……なぜたけし先生がそこに切り込まないかというと
私には敦と知恵子の夫婦間に生じたズレや矛盾もどうも理解し難いものでした。もう少し言葉を尽くせばわかろうものを…という気になるのは私自身の夫婦関係と引き比べるからでしょうか。
の一文でよくわかりまつ。『大阪解放戦士の碑』で会おうと夫婦で話し合われる方ですからねぇ、精神的にもそっくりさんなのかも知れません。実際はどうか知りませんけど
この作品にもそういう発展への契機はたしかにあります。妻の知恵子が「私も生き甲斐みたいなの見つけようと思って」と２０万円もする通信制のアナウンス講座一式を頼んだことでいさかいになった時、アルバイトしながらも「脚本家」という夢を捨てきれずにいる敦に対して、知恵子がぶつける「どうしていけないの。私だけどうして夢を追っちゃいけないの。私はずっと辛かった。夢がないのが辛かった。」という心の叫びはきわめて正当なものです。
それが二人にとって前に向かう契機になるのではなく、決定的な夫婦関係破たんの契機になり、そこから主人公の浮気、そして離婚へとたどる道筋に、３０歳の男とは思えない幼稚さを感じるのは私だけでしょうか。読者をきちんと頷かせたかったら、もっと知恵子が全面的に描かれなければならなかったようにも思いました。
日本共産党のアニウンス講座なら20分のビデオ一つで千円ですむのに……とは冗談ですが、ここのくだりは、敦の夢と夫婦の夢（千恵子の夢）のズレが残酷な形で提示されているような気がしますね。というか、水城さんと敦と千恵子が、いずれも幻を追っていると著者は言いたいのかもしれませんが、そうそう。
夫にとって自分は何なんだろう？そうした疑念を象徴するものが20万円のアナウンス講座ではないかと思うのですが、それを拒否することで敦は自分が妻をどう思っているのか白状させられたのでしょう。これは決して幼稚ではありません。弱さでつ。
幼稚とは、40歳半ばにもなって人に品がないとのたまうのに、自分は「チンケ」を連発したり、予算の裏づけがないのにあるようなウソをついて支持を訴えたり、何度簡単なHTMLリンクを教えても覚えないような人の事を言うのではないでしょうかw？
そうそう、人のサイトを事実無根だと周囲に言いふらしながら、抗議一つしてこない人も追加しときまつ……いわゆるアラシさんにも、寛大にふるまってきたつもりですが、当blogって、そんなに怖いかな？たけし先生www
私には敦と知恵子の夫婦間に生じたズレや矛盾もどうも理解し難いものでした。もう少し言葉を尽くせばわかろうものを…という気になるのは私自身の夫婦関係と引き比べるからでしょうか。
の一文でよくわかりまつ。『大阪解放戦士の碑』で会おうと夫婦で話し合われる方ですからねぇ、精神的にもそっくりさんなのかも知れません。実際はどうか知りませんけど
この作品にもそういう発展への契機はたしかにあります。妻の知恵子が「私も生き甲斐みたいなの見つけようと思って」と２０万円もする通信制のアナウンス講座一式を頼んだことでいさかいになった時、アルバイトしながらも「脚本家」という夢を捨てきれずにいる敦に対して、知恵子がぶつける「どうしていけないの。私だけどうして夢を追っちゃいけないの。私はずっと辛かった。夢がないのが辛かった。」という心の叫びはきわめて正当なものです。
それが二人にとって前に向かう契機になるのではなく、決定的な夫婦関係破たんの契機になり、そこから主人公の浮気、そして離婚へとたどる道筋に、３０歳の男とは思えない幼稚さを感じるのは私だけでしょうか。読者をきちんと頷かせたかったら、もっと知恵子が全面的に描かれなければならなかったようにも思いました。
日本共産党のアニウンス講座なら20分のビデオ一つで千円ですむのに……とは冗談ですが、ここのくだりは、敦の夢と夫婦の夢（千恵子の夢）のズレが残酷な形で提示されているような気がしますね。というか、水城さんと敦と千恵子が、いずれも幻を追っていると著者は言いたいのかもしれませんが、そうそう。
夫にとって自分は何なんだろう？そうした疑念を象徴するものが20万円のアナウンス講座ではないかと思うのですが、それを拒否することで敦は自分が妻をどう思っているのか白状させられたのでしょう。これは決して幼稚ではありません。弱さでつ。
幼稚とは、40歳半ばにもなって人に品がないとのたまうのに、自分は「チンケ」を連発したり、予算の裏づけがないのにあるようなウソをついて支持を訴えたり、何度簡単なHTMLリンクを教えても覚えないような人の事を言うのではないでしょうかw？
そうそう、人のサイトを事実無根だと周囲に言いふらしながら、抗議一つしてこない人も追加しときまつ……いわゆるアラシさんにも、寛大にふるまってきたつもりですが、当blogって、そんなに怖いかな？たけし先生www
