これは、ちょっとしたスクープではないか……。

大阪大学で40年以上前にあったという、阪大生協事件の資料を発見。
「デモクラティック学生同盟」という学生の政治組織が引き起こした事件で、この略して「デ学同」は、日本共産党から分裂主義と呼ばれて除名された組織だそうだ。こんな組織の名前は初耳の人が多かろうし、阪大生協事件は、民主経営のありかたに対して、いずみ生協事件鹿児島事件とは全く違った視点を提供してくれるものと思われる

阪大生協は、当時生協理念に忠実であろうとした某が、試験的にやってみた周辺の団地への生鮮食料品の移動販売が大成功。それが大学のみならず地域でも認められるものとなった。

しかし、そこに生協の掌握をめざすデモクラティック学生同盟が攻撃を仕掛け、そこから二年近くに及ぶ事件が始まる。そして最後には日本共産党の、そして大学当局の影が迫る……。

かなり大部の資料で、読むのにはかなりの時間がかかる。しかし、終章の「ある専従役員の手記」に心乱されないものはいないであろう。