正確には「依らしむべし、知らしむべからず」でありますが、これは孔子の言葉で、為政者が民衆を統治する心得であります。本来「指導者は、自分の人徳を磨 き、民衆の信用・信頼を得て民衆を導かなければならない。政策や政府の情報を、全て隈なく民衆に教え浸透させるのは、大変難しく不可能に近いからだ」とい う意味でありますが、長い間「民衆から信頼を得られるように努力せよ。そして無学な民衆に政策や政府の持っている情報を教えてはならない」と誤訳されてき ました。今でも誤訳のまま使われることがあるようであります。

今国会でもこの誤訳を体現するような法案が審議されようとしております。与党がまとめた国民投票法案の骨子がそうでありまして、中でもメディアに対する規制が問題視されており、各方面から批判の声が上がっております。
与党案ではメディアに対して、投票の予想結果の公表の禁止、虚偽を記載し事実をゆがめるなど公正を害する報道の禁止。そしてメディア関係者らがその地位を 利用して投票結果に影響を及ぼす目的で報道することなどを禁止しております。もし、これらが国民投票法案に盛り込まれるとなりますと、メディアは各憲法草 案の比較や危険性の指摘や論評などが出来にくくなりますし、情勢を報道することも難しくなります。場合によっては憲法問題を一切語れなくすることも可能で あります。

こういう法案が一度通ってしまいますと、法案が一人歩きし、権力に都合の良いように解釈され、言論弾圧につながりかねませんし、与党案のメディア規制は今 までの規制と比べかなり踏み込んだものとなっておりますから、少なくとも報道の自由が今より後退するのは明らかであります。

党内ルールが党内権力者によって、都合の良いように解釈され、情報を管理され続けている共産党を見ている私たちは、日本全体が共産党化して活力をさらに失うのではないかと思えてなりません。

罵詈総論でした。