近年、国内に留まらず、アジア全体、特に中国や韓国で物議を醸している「つくる会」の歴史教科書。彼らの主張は過去の日本の過ちを過小評価、あるいは記述しない一方で、愛国心につながりそうなことだけを強調しています。

確かにそういう見方もあるでしょうが、愛国心だけを必要以上にかき立てられ、他国との関係をしっかり学んでこなかった日本人が、アジアの国々の人と信頼関係を構築し、協調していけるのでしょうか。我々が歴史を学習する意味について考えると、こういう教科書は、はなはだ疑問を感じます。

また、一方でそれを批判する左翼の側にも、物事を正面から取り組もうとしない動きがあります。一つ例を出しますと、共産党の党史でいえば、いままで数々の査問によって党員を切り捨ててきたのにも関わらず、党史から「査問」という言葉を消し、「共産党に査問という制度はない」として、歴史に蓋をしています。
そして「つくる会」の歴史教科書と同様に、愛党精神を全面に出した記述になっていますが、はたしてこのような党史を読んで、愛党精神だけを植え付けられ、自党の歴史をしっかり学んでこなかった政党が、他党派や国民との間に信頼関係を構築していけるのでしょうか?このことについても、はなはだ疑問です。
物事に正面から取り組もうとしないことを卑怯といいますが、彼らのように自分の国の歴史の改竄や、自分の組織の歴史の改竄を行う人たちのことを卑怯者というのではないでしょうか。

罵詈争論でした。

……管理人コメント
中国も韓国の歴史教科書は国定で1種類しかありません。
中国、韓国がどんな教科書を作っているのか、両国が日本との信頼関係を醸成するような姿勢で教科書を作っているのかは知っておいた方がいいでしょう。

韓国・中国「歴史教科書」を徹底批判する―歪曲された対日関係史


入門韓国の歴史―国定韓国中学校国史教科書


入門 中国の歴史―中国中学校歴史教科書