「動」に対する「反動」という力学用語を社会問題に転用し、歴史の進行を押し戻そうとするけしからぬ勢力を意味する擬似左翼用語。社会主義からみれば「反動」となる資本家階級(後述)とその政府も「封建領主」に対しては「進歩」であったとされる。基礎に、古代社会→封建社会→近代社会→社会主義社会と歴史は順に「進歩」していくという考えがあるが、これ自体に疑義が呈されて久しい。
「米日反動」と言うと、アメリカ政府とそれに従属する日本政府をまとめて敵視する政治的罵倒表現。これはかつての共産党用語で、社会党や新左翼は使わなかった。1950年代までは悪いことは何でも「封建的」とレッテル貼りされたものだが、その後代わって「反動的」が普及した。といっても「封建的」に比べると左翼臭が強いのは否定しがたい。左翼自身が「反動」と化すケースもある。その典型が「スターリン主義」。それに反対して登場した新左翼もまた「反動」化したとの評価も一部にあるが、断固認めない頑固者もいる。