11月21日20時57分 毎日新聞

 自民党選挙制度調査会(会長・村田吉隆元防災担当相)は21日、党本部で総会を開き、国政選挙の供託金の引き下げなどを柱とする公職選挙法改正案の骨子をまとめた。同党は表向き「多様な意見を国政に反映させる」と説明するが、次期衆院選で候補者を絞り込む共産党に方針転換を促し、共産支持票が民主候補に流れるのを防ぐ思惑も働いている

 主な改正点は(1)供託金を衆院小選挙区と参院選挙区で300万円から200万円に、比例代表でいずれも600万円から400万円に引き下げ(2)衆院小選挙区の没収点を有効投票総数の10分の1から20分の1に引き下げ−−など。自民党は公明党や野党に協力を呼びかけ、今国会に議員立法での提出を目指す。

 総務省選挙課によると、05年衆院選は計283人が供託金を没収された。内訳は共産候補(223人)と社民候補(22人)に集中し、自民、民主、公明3党の候補者は一人も没収されなかった。

 中でも共産党は小選挙区だけで6億6900万円の供託金が没収されたことから、昨年末に小選挙区候補の擁立に関する新基準をまとめ、次期衆院選の立候補予定者数は148人(21日現在)と、前回(275人)から半分に絞り込んだ。

 共産党の空白区では同党支持票の一定程度が民主候補などに流れるとみられ、次期衆院選に向け自民党は警戒感を強めていた。村田氏は「どの政党も喜ぶ。よこしまな考えはない」と否定するが、衆院解散がひとまず遠のいたのを受け、駆け込みで法改正に乗り出した側面は否めない。

 思わぬ「援軍」を得た共産党の志位和夫委員長は21日、東京都内で記者団に「特定の政治的思惑と無関係に考えたい」と評価する考えを示した。ただ、「候補者を増やすのか」との質問には「そういう問題とは別だ」と述べた。

 一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は記者会見で「極めて党利党略の発想を内包しており、応じるわけにはいかない」と批判した。【田所柳子】

自民党は、共産党が候補者を出してくれないと困るんです。共産党に少しは伸びてもらわないと困るんです。

自民党すら応援してくれるとは....確かに、こんなにたたかいやすい選挙はない