しんぶん赤旗 きょうの潮流
〈アカハタ売るわれを夏蝶(ちょう)越えゆけり母は故郷の田を打ちていむ〉。没後35年を記念して、県立神奈川近代文学館(横浜市)で開催中の寺山修司展で、この短歌を見つけました▼詩歌、演劇、映画、歌謡曲と幅広い分野で活躍した寺山修司(1935〜83)。彼は共産党員だったのか?と思いきや、そんな事実はなく、虚実ないまぜの作風が魅力の寺山ならではの表現でした▼しかし10歳の時に青森大空襲で焼け出され、父がインドネシアで敗戦後に病死し、福岡の米軍基地へ出稼ぎに行く母と離れ離れになった少年に、変革の志が芽生えなかったとは言えません

いや〜寺山修司はそんなの書いてたんですかぁと感心しつつ、思い出すのは
書かれざる一章
井上光晴
角川書店
1971-10-30

虚実ない交ぜというかウソばっかり書いていた日本共産党出身の「全身小説家」井上光晴ですねぇ。
井上は「書かれざる一章」という共産党細胞が食う食わずで活動している姿を描いた小説を出して、中央から睨まれて国際派でもあったことから除名されるんですね。これは彼にはとてもショックなことであったようで、左翼なのに党派にはその後一切近づかなくなりました。

もっとも、共産党にいたら、この方ダメになったかも知れない・・・だって党を除名になってから民主文学ではなく戦争や被爆者、被差別部落を舞台にして小説で有名になるからです。ま、もともと民主文学には向いてなかったのかも知れません。 

石牟礼道子たんなんかも、共産党入ったものの、さっさとやめてから戦後最大級の小説家に化けますし・・・共産党は昔から民主文学とか、この方面に力は入れてる方ですけど、文学との相性が悪いのかも知れません。
苦海浄土 全三部
石牟礼 道子
藤原書店
2016-08-26