しんぶん赤旗
森友の次として話題にされている加計の今治獣医学部の話

現在進行している獣医学部新設構想は、今治市内に岡山理科大学の獣医学部を開設するというものです。市は、学校用地として市内の16・8ヘクタール、約36億7500万円の土地を無償で提供したうえ、校舎建設費の補助金として今後8年間で計64億円を支払うという、いたれりつくせりの構想です。
 

森友はさすがにアレなのだが、これまで問題にするのは少々筋が悪いのではないかという感じがする。というのは事業を推進しているのは加計学園だけではなく、愛媛県や今治市もいるからだ。

設置されてるという獣医学部、四国で初めて、唯一の獣医学部となり、獣医学をやる日本最大級の大学となる。なにせ日本の獣医学部の定員は930人しかなくて、定員増やして1051人としている。そこに定員が日本一多い160人の獣医学部に定員60人の獣医保健看護学科が加わる。そして獣医学科は定員のうち30人を四国での就職を条件に地元枠を作る。ちなみに私立の獣医学部はこれができたら西日本唯一。すなわち西日本の私立の獣医学部は今のところゼロという状況だ。

獣医の市場は、偏在が問題になっているが、数はほぼ足りているようで反対意見はこれから獣医の需要は減少するだろうから要らんというところらしい。とはいえ、獣医の偏在を考えれば四国枠を作ることの意義はあるだろうし、四国の自治体によっては学費補助をしてでも卒業生を欲しいというケースもあろう。

そもそも地元が多額のカネ出して大学を誘致するのは、80年代からさんざんやられていたことで特に珍しいことではない。しかし最近はその誘致した大学が都心回帰し始めているから“ビジネスモデル”としては遅れている。とはいえ立命館アジア太平洋大学のような成功事例もあるし、獣医は免許制なので判断は難しい。

ぶっちゃけ、ここをつついてもたいしたことにはならないと思ふ。