まずは、国民連合政府を提唱した志位発言を検討してみよう。しんぶん赤旗の記事である。

――今回提唱された枠組みは党首会談をした5党1会派(共産、民主、維新、社民、生活、無所属クラブ)の枠組みを基本とするのですか。


 志位 今回の「提案」は、政党・団体・個人に広く呼びかけるというものです。政党として私たちが念頭においているのは、野党共闘を積み重ねてきた野党5党、そして参議院での1会派です。この方々に私たちの考えをお伝えし、胸襟(きょうきん)を開いて話し合い、協力を呼びかけていきたいと考えています。


他党と事前に協議し、意見のすりあわせをした結果の発表ではない。これから話し合うというのだ。
一般論で言うと、こうした選挙協力は、協力する者が構想を立てて、例えば2政党の強力なら水面下で根回しして(といっても新聞記事になるような話し合いの機会を持つこともあるが)、これでいくと決めてから共同で記者会見して発表するという方法をとる。

そうした方法をとっていないと言うことは、この決定が日本共産党の独断であるのは明らかである。

 ――これまでの日本共産党の考え方として、民主連合政府を樹立するという方針がありましたが、その方針とどうちがうのですか。


 志位 わが党の綱領では、政府については、2種類の政府を規定しています


 一つは、民主主義革命――異常な対米従属と大企業・財界中心の政治を打破して、日本社会の民主主義的な改革を全面的に実行する統一戦線の政府です。綱領では、この政府を、民主連合政府と呼んでいます。民主連合政府の樹立が、私たちの一貫した大目標であることには、変わりがありません。


 いま一つ、綱領では、そこまで条件が熟していなくても、「さしあたって一致できる目標の範囲」での統一戦線の形成と、その上に立つ統一戦線の政府を、一定の条件が生まれたときにつくるために力をつくすということを明記しています。


 今回、私たちが提唱している“戦争法廃止、立憲主義を取り戻す”という一点での国民連合政府というのは、わが党の綱領上では、「さしあたって一致できる範囲」での統一戦線での政府という位置づけになってきます。 

 
二つの政府の一つには、言わずと知れた「民主連合政府」がある。もう一つは「統一戦線の政府」である。で、志位たんは「統一戦線の政府」ほ国民連合政府だと言っているわけだが、なぜ綱領に規定している「統一戦線の政府」と言わないのか。 

志位たんは、けっこう厳密にものを考えるタイプの人なのはよく知られている。だからこれが志位たんの考えなら、綱領に忠実な言い方である「統一戦線の政府」という言い方をするはず。なのにそれを言わず、国民連合政府という言い方をするのか?

ここで敏感な党員は思うのである。これは志位の考えではない。志位にこんなことを言わせることが出来るのは、不破だけだと。

で、その不破ちん、実は安保法制の国会前デモに来たというニュースは全く聞かない。共産党にとってこれほど大事なときに不破哲三が来ないのはなぜか?敏感な党員は、顔を出せない理由があると見る
(つづく)