しんぶん赤旗

「海外で戦争する国づくり」をすすめる安倍晋三内閣のもとで、防衛省の軍事技術、兵器の開発に大学や研究機関などを協力させる“軍学共同”が強められています。憲法の平和原則にもとづき、平和と人類の福祉のために発展した日本の科学研究の存立が問われる重大な問題です。


安倍内閣の「戦争する国づくり」に軍事研究の面から大学や研究機関が協力するのか、それともきっぱりと拒否するのかが、今日、鋭く問われています。 

本当のことを言うと、そんな簡単に軍事研究とそうでないのと切り分けられないんだが・・・

 
フリッツ・ハーバーはユダヤ人の科学者で空気からアンモニアを作る方法を発見し、ドイツのみならず世界の食糧生産に資するところが極めて大きいノーベル賞化学者。強烈な愛国者としてドイツのために毒ガスを作って国際的に大きな非難もされ、毒ガス研究をやめさせたがっていた妻の抗議の自殺にも動じず、研究を続けたが、ドイツがナチスのものとなるやユダヤ人なので事実上国から追われたという人。

同じく神経ガスの父と呼ばれるゲルハルト・シュラーダーは、タブン、サリンなど化学兵器もたくさん作ったが、本人は殺虫剤作りたかったんだね。で、彼の作った農薬は戦争直後の日本で大きな被害を出していたニカメイチュウを駆逐して食糧危機を回避させて多くの人が助かったのだ。

いずれの人も、化学者として一流であったし、業績もすばらしいし、別に武器作ろうとしていたわけでもない。戦争の時代にたまたま彼らの能力が軍から要請されただけである。戦争がなければ、彼らも汚名をかぶることはなかった。戦争がなければ、世界を救った英雄と呼ばれていた人たちである。

ここに、戦争の怖さがある。
昔は戦争を実際に体験してもうまっぴらだと軍事研究を大学から廃除することはできたかもしれない。しかしそれが通用したのは、日本が戦争に巻き込まれることがなかったからだ。本当に巻き込まれるようになったらそんな原則などすぐに放り投げられる。雪の研究で著名な中谷宇吉郎博士だって原爆研究してたんだぜ?

戦争は回避されるべきものだし、やるべきではない。しかし毒ガスと農薬なんか紙一重の違いしかないんじゃない?ロボット技術だって、軍事用に使える技術なら農業や建築や介護にも使えるだろう。どこで線を引くのか、よほどの専門家でないと判断は難しいと思うよ・・・いや専門家でも無理かも知れない。

実際に武器を作る。たとえば今すすめられている国産ステルス機にしたって、全く大学での研究成果が入っていないなんてことはないと思う。

技術に善悪はない。善悪は使う人にある。よって

 大学の研究を軍事に利用させないため、軍事機関との関係は一切もたないことを含めて明確なルールをつくるべきです。

なんてのは机上の空論でしかないわけだ。 そんなもん振り回して、偉そうにしないでもらえませんか?だって