太宰ファンたんのコメント

生保のカードの件もそうですし、保育園民営化問題もそうですが、共産党には、企業による「資本主義的搾取」=絶対悪で、民営化や株式会社化の拡大を断固阻止するという、抜きがたい固定観念(妄念)があるのではないでしょうか。私自身、若いころ、この妄念から抜け出せず、苦しんだ経験があります。 

しかし、この「企業、株式会社=絶対悪」論、本来のマルクス主義とは無縁で、スターリンの捏造であることを(ソ連崩壊後に)中村静治さんの幾つかの著作で知りました(「信山社」から素人向けの本が出ていた)。よく搾取は資本主義の「矛盾」と言われますが、マルクスの使った(弁証法的)「矛盾」の語の本来の意味は「発展の原動力」で、搾取があるから社会の生産力が発展する(剰余価値を資本に変える)という意味です。スターリンは、それを「なくすべきもの」、「絶対悪」という趣旨に変えてしまい、通説として流布され、日本共産党は、未だにその呪縛から逃れられない。そういう視点で共産党の政策や主張を見ると、深く考えもせずに妄念に縛られて馬鹿なことばっかり言っているように思えます。現実的でまともな提案なんかできっこない。

共産党関係者お得意の「民主経営」ですが、これは、スターリンの詐欺に基づく社会主義ソ連の国営企業そっくりです。従業員を思想でがんじがらめにして、(一般企業よりもひどい)長時間低賃金労働で搾取しまくる、経営と労働の力関係は圧倒的に経営側が強い、個人の能力・適性でなく党への忠誠度で出世が決まる、一部党員だけで決める非公開・秘密主義的経営で不祥事を平気で揉み消す、云々。そのような非効率な暗黒社会=ソ連は崩壊して当然で、共産党と民主経営も、スターリンの嘘を引きずった自分たちの真の姿に目覚めない限り、未来はないでしょう。 

中村静治という人はぼくちん初めて聞いたが、中岡哲郎同様に技術とマルクス主義に詳しい人らしい。一応日本共産党は、大企業が悪いとは言ってなくて、大もうけしている分け前よこせと言っているだけだというのが党の公式見解だが・・・