ということで、TAMO2師匠から申し出があり、新連載を開始します。第一回と二回は同時掲載!
指導という名の欲望
氷川渉
新々社
2013-07-30


【はじめに】

 

 こんにちは。常連のTAMO2です。

 

 このブログは元々、日本共産党の問題点を掘り下げるだけではなく、日本共産党がダメな場合の革命運動の再興に寄与する記事をアップしていました。その一番の Categories が「毎日が革命記念日」でした。

 

 ここ何年か、日本共産党や党員の動きを論評する記事が殆どで、中々昔みたいな理論的なものを掘り下げる機会もなくなり、そのためかコメントの敷居が低くなりすぎて、日本語読解能力に悖るとしか思えない低レベルに過ぎることを人によっては書き込まれているようです。

 

 小生はもともと、知性においてはシバキ主義者ですし、また、切に革命運動の再興を願っていますので——それは決して従来の共産主義とは限りません——、皆様と共に自分の知性を高め、革命運動に資する記事をおいおいアップしていけたらなあ、と思います。そのためには、まずは「革命」そのもののイデオロギーに切り込んでいきたいと思います。皆様のコメントを見ながら、次の文章を書いていきます。「毎日が革命記念日」の筆者ほどの力量がないので、あっちに流れ、こっちに流れ、になるのは分かっていますが、よろしくお願いいたします。共に学び、考えましょう。

 

 なお、馬鹿なコメントについては、一刀両断することもあると思いますが、ご容赦願います。

 

 

【辞書によると?−1】

 

 革命とは何だろう? 色々なイメージがあると思います。まずは辞書を見てみましょう。

http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/39228/m0u/%E9%9D%A9%E5%91%BD/ より。

 

 1.被支配階級が時の支配階級を倒して政治権力を握り、政治・経済・社会体制を根本的に変革すること。フランス革命・ロシア革命など。

 

 2.物事が急激に発展・変革すること。「産業—」「流通—」

 

 

 1.はマルクス主義で馴染みが深いものですね。ただ、ここには混同、ないしは混乱があるように思います。政治権力を握り、政治・経済・社会体制を根本的に変革するというイメージは、まさに革命に相応しいものだと思います。しかし、以下の共産党宣言の文章を取り上げることは意味のないことではないと小生は思います。

 

(以下引用)

 ところで、われわれがすでに見たように、ブルジョアジーの成長する土台となった生産手段と交通手段とは、封建社会のなかでつくりだされたものである。この生産手段と交通手段との発展のある段階で、封建社会が生産し交換をおこなっていた関係、農業と工業との封建的組織、一言でいえば、封建的所有関係は、すでに発展した生産力にもはや適合しなくなった。それらは生産を促進しないで、かえってこれをさまたげた。それらはすべて桎梏となった。それらは爆破されなければならなかった。そして爆破された。

(引用終わり)

 

 ここでは封建社会が破壊される過程について書かれています。経済を支えるものとして、生産手段、交通手段が挙げられ——マルクス主義では下部構造と言いますよね——、その基礎の上に封建的所有関係が挙げられていると思います。さらに、その所有関係を暴力でもって担保するのが、政治体制というわけです。所有関係と分かちがたく結びついているのが政治体制であり、これらをざくっと上部構造であると小生は考えます。

 

 すると、共産党宣言に描かれた革命理論は、下部構造の発展により上部構造が適合的でなくなり、爆破されるということになります。すなわち、下部構造の発展が先、あるいは主で、上部構造の変革は従であることになります。すると、1.の説明は極めておかしなことになります。(続)