水野成夫の時代-社会運動の闘士がフジサンケイグループを創るまで-
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ぼくちんお盆は、この本を読んだ。没後40年。読後、水野の人となりを目撃しできた最後の世代がどうしても書きたかったのだろうなと思った。

水野成夫は、赤旗(せっき)の初代編集長で、後に転向、翻訳家として活躍していたが、友人の関係で製紙業に関わり、国策パルプから文化放送、フジテレビ、産経新聞と放送業界に関わり続けて財界四天王の1人と言われた人。

本のスタートは、コミンテルン極東事務所に行った先、上海から始まるときたもんだ。

500ページを超える大著である上に、昔の企業人にありがちな書き方をしているので、若い人には読みづらいというか、ビンとこないところがままあるかも知れない。

どういうことかというと、たとえば櫻田武と聞いてビンとくるような人は今では50代でもそれほどいないだろう。よって60超えないと実感のある読み方はできないかも知れないという意味だ。

とはいえ、そういうところをすっ飛ばしても、すごい人だったのは読めばわかる。特に経済界に入ってからは、特にこの方、重宝された。何が重宝されたって、当時は左翼が輝いていた時代。そんな時代の左翼の扱い方を知っていたのは、財界には彼しかいなかったのだ。

赤旗の初代編集長でコミンテルンと関わったクラスの筋金入り共産党員だった人が、左翼に向かって「キミ、マルクス読んだことがあるかね?」とやるもんだから、後は推して知るべしw。

自身が左翼であったが故に、左翼の生態というか行動原理が手に取るようにわかる者が財界にいたのだ。共産趣味的には、戦前の共産党幹部の動きも面白いだろうが、この本の焦眉は、安保闘争時に全学連が国会に突入し、樺美智子が死んだとき、水野が何をやっていたかが一番の読みどころだと思う。ここに左翼と転向者の違いが集約されている。

それと、パープルくんがこれを読了できたら褒めてあげよう。その真意は、「これを読破できるようなら、常連諸氏も少しはキミを見直すぞと言う意味だよんw」

さらに言えば、これを通読できる日本共産党幹部などわずかだろうという軽侮も入っている。「国家と革命」
国家と革命 (講談社学術文庫)
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が読めるくらいの読解力がないと、清水の次郎長から毛沢東、財界人まで多数の人物が出てくるこの本を読むのはしんどいよ。

あ、そうそう。伊賀篤さまは、必読いうか、この方遠州人ですから、より興味深く読めると思います。