ということで、全学連blogに掲載された内容は以下の通り。
日付からもわかるように、脱退前に出されたのを掲載しているだけで、脱退後の見解でも何でもない。

■■東京大学教養学部学生自治会の代議員大会「全学連都学連脱退」の議案書に対する、 全日本学生自治会総連合書記局および東京都学生自治会連合書記局の見解を示します。

2012 年 6 月 12 日 全学連書記局および都学連書記局
 

■■一、学生の願い実現めざす全学連・都学連の活動について

全日本学生自治会総連合(全学連)は、全国の学生自治会でつくる連合体であり、東京 都学生自治会連合(都学連)はその東京の地方組織です。一つの学園では実現しきれない 願いでも、各地の学生自治会が交流し協力したとりくみをすすめることで、実現へ大きな 力を発揮しています。具体的には、深刻な学費負担や就活、大学予算削減など学生に共通 する課題で、国や地方自治体、経済団体、メディアなどへ学生の実態を伝え、改善へ、大 学人や国民諸階層の運動とも連携し頑張っています。過去には学部別授業料の導入阻止や JRの「学割証」を実現し、近年は以下のような貴重な成果を実らせています。

●学費値上げに歯止めをかけ、今年度には年収 300 万円以下なら返済猶予する奨学金制度 が新たに発足。大学の学費の段階的無償化を定めた国際人権規約条項の留保撤回方針を政府が表明するなど、情勢を着実に動かしています。
 

▽「みなさんの黒書(注 37 大学 3895 人)を文科省に持っていって議論している」(2011 年文部科学副大臣秘書)など、伝えた実態は活用されています。「みなさんの要望を踏まえ て学費を据え置いた」(文科省担当者)と、2006 年には 30 年続いた国立大学の学費値上げ をストップさせました。
 

●大学人との共同を広げ、大学予算削減幅の縮小に力を発揮。

▽昨年全学連がよびかけた「2012 年度大学予算 1 割削減に反対、増額をもとめる緊急署 名」には、二塚信・九州看護福祉大学長や石井英朗・東日本国際大学長(当時)をはじめ 多くの教職員も賛同、3 ヶ月で 1 万 335 筆集まりました。
 

▽2010 年には、国が発表した国立大学予算1割削減計画の見直しを求め、都学連として緊 急署名をよびかけ、東京大学の農学部長、文学部長、理学部長も署名に賛同。東大工学部 は学部ホームページで署名をよびかけ、全都で 6114 筆を集め政府に提出。全国の大学人・ 研究者のとりくみにも合流し、削減幅を大幅縮小。 ●大震災被災学生、被災大学の支援。
 

▽被災地の大学を現地調査。現地の大学の学生自治会や学生課から聞き取りをおこない、 つかんだ実態を文科省に伝え支援強化を求めました。文科省のつかんでいない実態も多く、 「(授業料免除など不十分なところは)さらに調査し、必要な支援をしたい」(文部省)と回 答。これまでなかった、専門学校生の授業料免除への支援実現の力に。 ▽日本弁護士連合会へ要請をおこない、11 月の「被災した大学生・大学進学希望者に対す る緊急の修学支援を求める会長声明」の発表につながりました。 ●各地の学生自治会の活動や経験を交流。
 

▽教科書リサイクルや駐輪マナーよびかけの方法など、特色あるとりくみが交流され広が っています。自治会のない学園や未加盟学園の学生の願い実現にも力をつくしています。
 

近年、学園での活動継承が困難になる自治会が増え、全学連・都学連のとりくみに参加する自治会数も減っていますが、学生の願い実現へ全国・全都の学生が力をあわせ、学生 の声を国や社会に発信する全学連・都学連の活動の重要性は変わらないと思います。昨年 は、石巻専修大学や愛知教育大学、日本社会事業大学、大阪府立大学などの自治会の方々 が、全学連や地方学連の企画や大会に新たにあるいは数年ぶりに参加し、関係を強めてい ます。
 

東京大学教養学部学生自治会(東大教養自治会)も、脱退でなく、ぜひ引き続き全学連・ 都学連に結集し、学生の要求にこたえる活動をともに前進させていくことをよびかけます。
 

■■二、全学連・都学連が身近で多彩な願いや民主的運営を重視していることについて

東大教養自治会の議案書は、全学連・都学連の活動に関して、「一面的で硬直」、「干渉体 質」などとしていますが、それらの指摘は当たらないことも端的に述べておきます。

●多彩な願い実現へ学生自身の力で活動

まず、議案書が全学連の運動観を論じている箇所は、具体的事例の指摘がなく、根拠が よく分かりません。たとえば議案書は、全学連の活動を、「『要求実現』一辺倒」などと表 現し、東大教養自治会の今期の活動と大きく違うかのように述べています。しかし、東大 教養自治会が「自治会ガイドブック 2012」などであげている教科書リサイクルをはじめと する今期のとりくみも、全学連・都学連が重視している「学生の要求実現」のとりくみと、 実際の中身は共通しているのではないでしょうか。
 

全学連加盟自治会は、学内無線 LAN 実態調査や駐輪マナー啓発活動、喫煙所アンケー トなど、各地で多彩に要求実現にとりくんでおり、全学連・都学連はそれらの経験普及に つとめています。「東大教員を囲む会」や「進学振り分け相談会」など、東大教養自治会の 今期の新たな活動も注目しています。議案書は、全学連・都学連の活動と、今期の東大教 養自治会の活動との間に乗り越えがたい対立や壁があるように描いていますが、学生の願 い実現へ、事実にもとづく誠実な相互理解に努め、力をあわせることこそ大切と考えます。

●率直で自由闊達な討議や交流を大切に

議案書は、全学連・都学連の活動が、「これまでの活動の一面的な押しつけ」や「干渉」 を特徴としているかのように論じていますが、これも実際とは異なります。

たとえば、全学連第 63 回定期大会が 2012 年 3 月に開かれましたが、そこでは、270 分 の班に分かれての討論、190 分の全体での討論をおこない、活動の成果を振り返るととも に、「マイノリティの方々の意見をつかめているか」など、各自治会が抱える問題意識も率 直に語りあい、自由闊達な議論と交流をおこなっています。この点で、東大教養自治会の 今期の執行部の方々が、都学連と全学連の大会に欠席し、全都全国の学生との直接の対話 と交流に参加されなかったことは、残念に思います。
 

全学連・都学連が、学生自治会の活動を支援するさいも、各自治会の活動に直接責任を おうのは、各学園で選挙によって選ばれた執行部と各学園の学生にあることを原則として います。全学連・都学連が、各自治会への援助を、干渉目的でおこなうことはありません。

議案書には、明らかに事実に反する指摘も見られます。別項の「注」をご参照ください。
 

■■三、狒干慙△脇団蠹淒匹留洞漸辞瓩箸いΦ掴世慮蹐——構成員の「思想・信条の自 由」「政治活動の自由」を守ることの意義にもふれて
●学生の願い実現へ、様々な政党・団体にも積極的に働きかけて

議案書は、全学連・都学連が「学外党派による支配」を受けているとしていますが、そ の記述にも、事実に反する点、不誠実な点が見うけられます。

まず全学連・都学連は、学生の要求実現へ、様々な政党や団体、国会や大学などに積極 的に働きかけており、その際の基準としては、特定の政党・団体であるかどうかではなく、 学生の要求と一致するかどうかを重視しています。実際、全学連がこの間とりくんできた 学費署名には、民主、自民、共産、社民各党の議員が紹介議員となっています。
 

議案書は、「全学連の活動を取り上げるのはほとんど特定政党の機関紙」とも述べていま すが、全学連や地方学連の活動は、各種メディアに取りあげられています。例えば、2011 年 1 月 18 日「読売新聞」夕刊は、「心の負担増える就活学生」と、全学連の国会要請を紹 介し、2010 年 9 月 NHK「クローズアップ現代」では、奨学金が返せない学生の実態につ いて全学連が取材協力しました。全学連・都学連が記者会見などをおこなう際は広く各種 メディアによびかけており、引き続き学生の実態や運動を注目し報道してくれるメディア が広がるよう、働きかけを強めたいと考えています。
 

全国青年大集会を「特定政党のイニシアチブで開催」「特定政党に系列化」とする記述も ありますが、大集会実行委員会に政党は加わっておらず、事実に反します。2010 年 5 月 の青年大集会は「毎日新聞」「東京新聞」で報道され、2011 年 10 月の集会は「アルジャ ジーラ」で取りあげられました。原水爆禁止世界大会のことも「特定政党系」と語ってい ますが、この大会は広島・長崎市長が参加し、国連や核兵器廃絶へ積極的に活動している 国々の政府代表も参加する、国際的大会です。特定政党への「系列化」など定義が曖昧な 言葉で論理を展開していることも、見識が問われると考えます。

●「思想・信条の違いをこえて団結する」——自治会・全学連活動の大原則

学生自治会は、学生に共通する願いの実現へ力をあわせるという性格とともに、「大学の 自治」の担い手の一員として、学生の意思を大学運営に反映させる学生の意思代表機関と しての性格をもつ組織であり、「全員加盟制」という仕組みをとっています。だからこそ、 自治会とその連合体である全学連・都学連は、様々な思想・信条の学生がいることを前提に、 学生が「思想・信条の違いをこえて団結する」ことを、運動の大原則にすえています。具 体的には、1「特定の政党・団体・個人による学生自治会の支配・私物化を許さない」、2 「構成員 1 人ひとりの『思想・信条の自由』、『政治活動の自由』を守る」、ということです。
 

全学連・都学連は、1に関して言えば、規約や時々の決議にもとづき、私たち学生自身 が、率直、多彩な議論を重ねながら民主的に運営を進めています。署名内容はじめあらゆ る活動を、正規の会議や手続きをへて、学生自身が決めています。特定の政党・団体に対す る支持決議や献金をおこなったことも一度もありません。特定党派に「指導」「支配」され ている、という主張は正しくありません。

●構成員の「思想・信条の自由」「政治活動の自由」を厳密に守って

また、2に関して、議案書は、「(全学連の)中央執行委員のほとんどは代々特定政党の 党員」と述べ、全学連中執1人ひとりの思想・信条を問題にし、それをもって「特定政党の 指導下にある」と論じています。しかし、中執1人ひとりが、どのような思想信条をもち、

それにもとづくどのような活動を日々おこなっているかは、各人の「思想・信条の自由」「政 治活動の自由」に属する事柄であり、みだりに問題にすることは許されません。これは「詭 弁」ではなく、議論の根本に関わる問題です。
 

議案書のような議論は、「思想・信条の違いをこえた団結」という全学連と自治会の運動 の大原則を根底から否定する点でも、憲法が保障する、「思想・信条の自由」、「内心の自由」 (自らの思想・信条を表明しない権利を含む)、プライバシー権など基本的人権の侵害につ ながる点でも、大きな問題があると考えます。

●学生の願い実現のとりくみ発展のためにも

学生自治会と全学連の活動では、「大学で学ぶ環境を良くしたい」など、学生が、共通す る願いの実現へ、思想・信条、政治的立場、性別、出身地や国籍など様々な違いをこえ共同 することが大切です。自治会や全学連の執行部についても、選挙を通じて選ばれ、学生が 話しあって決めた方針にもとづいて誠実に運動をすすめることが資格要件であり、特定の 思想・信条などをもっているかどうかで決定もしくは排除されることは、あってはなりま せん。燹○の思想・信条をもっている学生は差別し排除しよう瓩箸いΦ掴世砲弔覆る主 張を認めれば、学生が力をあわせることも困難になり、ひいては学生の願い実現と「大学 の自治」を守るとりくみに大きな障害がもたらされるからです。秋入学問題に関する議論 をはじめ、東大の学生の様々な要求実現のとりくみを今後さらに発展させていく上でもこ の点は重要です。

議案書が、「本会前委員長の証言」を、具体的根拠も示さず一方的にそれが正しいという 前提で扱っていることにも、事実に対する不誠実さを感じます。

東大教養自治会が、狒干慙△脇団蠹淒匹留洞漸爾砲△覘瓩箸垢觚蹐辰深臘イ鬚っぱり 退け、学生自治会と全学連の原点に立ったとりくみをいっそう強めることを期待します。
 

■■終わりに

東大教養自治会の運動は、これまで全学連・都学連と力をあわせ、学生の願い実現にむ けた貴重なとりくみを重ねてきました。

「自治会ガイドブック 2012」には、学生自治会の活動の貴重な成果の1つとして、「世 帯年収 400 万円以下の授業料免除制度の実現」(2007 年度)があげられていますが、2005 年に、総長に対し同制度実現を求める署名を集めた際、全学連・都学連役員も東大教養自 治会のとりくみ発展にともに力を尽くしました。その後も、この制度を東大だけで終わら せず全国に広げようと、東大教養自治会は全国の自治会と協力してきました。昨年 12 月 の東大教養自治会正副委員長選挙で当時の委員長・副委員長候補は、これまでの成果とし て、大学予算増額と給付制奨学金実現を求める署名を 704 筆集め文科省に提出したことを あげていましたが、これも全学連主催の国会要請行動の際にともに提出されたものです。

これからも東大教養自治会が、全国全都の学生自治会とともに学生自治会の活動を発展 させていくことを、心からよびかけます。
 

(注)★被災地支援ボランティアへの態度 議案書は、「都学連の役員から、東日本大震災の被災地支援

ボランティア活動は学生自治会がやることではないからやめるように、と圧力が加えられた」としていま すが、都学連の副委員長(当時)はむしろ東大教養自治会の被災地ボランティア組織「災害対策本部」スタッフとして、発足当時(2011 年 3 月末~5 月初め)、積極的に立ち上げを支援しました。その中で、2011 年 4 月末時点で約 200 名の新入生がボランティア登録し、その後、学生のボランティア支援や義援金集 めなど重要な役割を果たしています。都学連が被災地支援ボランティアを自治会がやるべきことではない と考えていたかのような表現は、事実に反します。全学連も都学連も大会決議で東大教養自治会の被災地 ボランティアの活動を積極的に評価しています。
 

★2011 年の東京経済大学に関する経過に関して 議案書には、「東京経済大学学生会が全学連を脱退しよ うとした際、全学連役員が公表前の議案を入手してビラにして学内で無断配布したり、無断で集会をおこ なった」とありますが、「公表前の議案を入手し」というのは、当時大会の前に学生会が議案書を渡して きたもので、不正に入手したものではありません。全学連役員は、「求む、震災ボランティア」というビ ラをサークル等に配布し、ボランティアに関して説明会をおこない、そのさい学内ルールを熟知せず、学 生会や文化会本部・体育会本部への確認・許可を得なかった点を、学生会や学内諸団体に謝罪したという 経過です。