ニ中総志位報告、膨大なので何回かに分けて分析

志位報告は今回二つにわけられている。紙面に直せば8面と大部なものだ。最初はとにかく反省していることを示す言辞が並び、まぁ中央委員会としても今回の敗北は衝撃だったと分かる

今回の参議院選挙は、国民が、自民党政治に代わる新しい政治とは何かを探求する大規模なプロセスが進行しているなかでたたかわれました。さらに、民主党政権が国民への公約や期待を裏切るもとで、政治への閉塞感が深まり、「日本の政治をどう変えるのか」という大きなビジョンを示すことが強く求められた選挙でした。

こうした選挙だけに、綱領が示す日本改革の方針を縦横に生かして選挙戦をたたかうという政治論戦の姿勢をつらぬくことはとりわけ重要でした。この点で、選挙戦をふりかえると、中央の活動に弱点がありました。

日本共産党綱領そのものが旧来の行き詰まったものであるとする認識が必要だ。党として大きくなるためには、その時々の国民の有望と夢に寄りそう必要がある。そうしたセンスを一切持たず、綱領が全てだなんて言うのは今どき一部の宗教くらいのものだ。
旧来の古い政治が深刻な行き詰まりにぶつかるもとで、日本の情勢と党綱領の立場が、客観的には深く響きあい、かみあう状況が生まれていることは、間違いありません。同時に、綱領の立場と、国民の意識との間には、ギャップが存在することも事実です。

歴史をたどると、1980年の「社公合意」を大きな転機として、とくにこの30年間、支配勢力が、政界からの「共産党排除」とともに、安保条約を絶対化し、大企業の横暴な支配を合理化する思想攻撃をメディアを動員して系統的にすすめてきたという問題があります。このもとでいま、「安保廃棄」、「大企業の横暴な支配をただす」というわが党の主張が、簡単には受け入れられない状況も生まれています。今回の選挙戦での対話のなかで、「共産党の主張は理想論で、現実性がない」という声が聞かれたことは、そうした状況の一つの反映でした。

こうした支配勢力による思想攻撃、国民の意識にかみあって、党綱領の示す日本改革の方針への国民の共感を広くかちとるためには、つぎのような努力を日常的系統的におこなうことが必要でした。


綱領と国民の間隔にギャップがあるなら、埋めるようにすればよい。しかしそれが「二つの異常」を始めとした従来の主張であるならこれまでの経験から効果はなく、むしろ国民の間隔からのズレが大きくなり支持者を減らしていくことが明白である。党勢において共産党より何段も格下の存在であるみんなの党が共産党の何倍の議席を獲得できたのか、真摯な反省が足りない。日本共産党支持者もだんだんそのことに気がついてきつつある