子育てと出会うとき (NHKブックス)

潮流

経済財政諮問会議での新雇用戦略の一つとして若い女性の就業率向上を目的とした「保育サービス」の充実が挙げられている。これに同メンバーの丹羽宇一郎が「労働力を確保して潜在経済成長率の低下を食い止めるということが1番大事だ」と発言したのを批判。こどもを産み育てることが喜びとなる「子育て支援」こそが世界の流れだと主張。

丹羽宇一郎という人は、日本を代表するビジネスマンの1人で、伊藤忠を経営危機から救った人だが、その間、給料ゼロで頑張ったことで知られる元安保闘争のリーダー。いくら選挙で負け続けても、下級の専従が貧困に苦しんでいてもキチンと給料が出るなんて世界とは、別の世界に住んでいる人である。

それはともかく、彼の発言の背景には、マクロでは労働人口の減少によるGDPの減少を、労働人口を増やすことで穴埋めしよう。ミクロでは高い生産性をあげる女性が子育てによって生産性を落とすことがないようにすれば、子育て需要を満たす雇用が生まれるくらいのことを考えているのだと思う。

同時に、これくらいの人になれば、子育てに疲れた人や子育てに向かない人に「母性愛」を錦の御旗にして無理をさせようとする社会の変革なども射程に入れているとみるのが自然だ。

実際子育てってのは大変で、子供がかわいいと思えない。場合によっては殺したくなるという人も決して少数派ではない。

上記の本の著者である大日向先生など、母親が表立って言えない感情に正面から向き合ってきた歴戦の強者だ。だから主張に説得力と含蓄がある。

それに対し、しんぶん赤旗は、母性愛の神話をふりかざすだけ。読む人が読めば説得力も含蓄も全くない。

これでは、本当に世の中を知る人たちは説得できない。