共産党の選挙戦略の大転換、変化の現れか、ただカネがなくなっただけなのか、あちこちで議論がなされている。当blogの常連さんも何人かカネがなくなっただけとの説を唱えておられる。

昨日のしんぶん赤旗の志位委員長報告や党員blogの反応などを勘案するに、確かにこれでは変革の第一歩とは言えない。選挙方針をみてみる。

第一に、小選挙区での立候補は、「参院選比例得票を8%以上獲得したところで、日常的・系統的に活動できる力量ある候補者を擁立できる選挙区」と「各都道 府県で一選挙区以上」で候補者を擁立してたたかうことをおよその目安にして、都道府県の自主的判断で決定するようにします。候補者を擁立する小選挙区で は、いかに比例代表選挙での前進に貢献するかを最優先の任務にしつつ、小選挙区でも得票を伸ばし議席を争う力量をつけることをめざして奮闘します。候補者 を擁立しない選挙区では、比例代表一本のたたかいで前進をはかることにすべての力を集中します。

これは、供託金没収を極力避ける方針でしかない。

第二に、比例代表選挙の候補者は、ブロック全域で活動する候補者にくわえて、全県からそれぞれの県で日常的な活動をおこなう候補者を擁立するようにしま す。これは、小選挙区との重複も含みます。それは、日常的に、それぞれの県で比例代表選挙のとりくみを強化するうえで大きな力になるとともに、選挙本番で も、小選挙区に立候補することで確保できる候補者届出政党カーを、比例代表選挙での支持を訴えるために全県的に活用できるようになるなど、比例代表選挙を 全県的に展開する保障となります。

こちらは若干変化がみられるが、目に見える変化にはならないだろう。ブロックでは大阪を除けば一人しか当選させられるかどうか、その程度の力量でしかないのが今の党の実力だ。

比例単独のブロック候補しか当選しない状況で変化は生まれない。前にも書いたが、やるなら全員比例順位同列一位で小選挙区との重複でなければ変化は生まれない。惜敗率で常幹が落選、中央委委員以下のランクの候補が当選なんてのが現実的にならなければ意味がない。

常幹も中央委員も、必死になれない体質を温存しているようではダメだ。
実際、他党も同じようにみているようで、自民党の中の人に聞いてみると、この件に全然関心がなかった。曰く「公明は宗教団体なんでどっちに転ぶか分からんが、宗教じみていても共産は政党だから無理!民主党内でも共産嫌いはいっぱいいるから、まず票の取引はない」

民主党の人に聞いても、「今そんなことに構っている暇はない。そんなことより総選挙までに、どれだけの候補者を擁立できるのかの方が問題」という状態らしい。たまたま右系の人に当たっただけかも知れないが、この人も共産との連立は考えていない。

要は、共産党が他党と組むことを現実に歓迎しているのは、非共産党系九条関係者だけのようである。

おそらく安倍後は麻生総理、与謝野幹事長を主軸に進むだろう。与謝野氏の健康問題がネックになるなら、ビックリ人事で平沼赳夫が出てくる可能性もある。人気抜群の麻生、実力派の与謝野、辛酸を舐め、一回り大物になって帰ってきた平沼。

そこに小沢が政治生命をかけて仕掛ける政局は、テロ措置法の延長をテーマに盛り上がるだろう。そこでキャスティングボードも取る気がないなら、やはり議席は最悪五議席くらいまで落ちるのではないか?

共産党が議席をすべてなくす時期は、案外早く来そうな気がする。