昨日の赤旗に、品川区議団に対する、政務調査費の扱いについての住民監査請求の反論記事がある。品川区議団の反論には「不当な攻撃」とあるように、怒気が含まれているが、どうも住民の背後に公明党の影を見ているようだ。

公明新聞と品川区議団の言い分、特に気になる部分を比較してみよう。

公明新聞
「研究費・研修費」の支出では、議員の研修と称して、毎年2、3回、1泊もしくは2泊で、静岡県の伊豆松崎、伊 東、熱海、神奈川県の箱根、湯河原などの温泉へ行き旅館に宿泊。宿泊費およびビール・冷酒等の飲食費、交通費等を「研修費」などとして425万3540円 支出している。

品川区議団
議会がひらかれる前に、住民の要求や要望をまとめ、区から提案される予算案や条例案の問題点をあきらかにして、議会での質問などを準備し、さらに、対案と して日本共産党区議団独自の条例提案について検討するためには、多くの時間が必要です。限られた期間のなかで、集中的な検討をおこなうために、合宿という 形をとっているのも、そのためです。合宿では、早朝から深夜にわたる検討をくりかえしてきています。これを「旅行」と言うなどは不当ないいがかりです。

研修なら、温泉でやる事もあろう。ふだんとは違った環境に身を置いて、講師の話を聞きながら自分の政治のやりかたを考えてみることはあってもいいと思う。政務調査費としてビールや冷酒は感心できることではないにしても……。

それに対し、品川区議団は議会前の合宿だと言う。議会前の準備なら、温泉でやるよりも品川区内でやるのが普通ではないか?だって、討議している最中に、こんな資料が欲しいなんてことがあると思うから、当初想定していない資料が必要になったときに、入手しやすいところでやるのが原則のはずである。

公明新聞
「広報・活動費」として、自家用車をメーカー小売価格の2倍ほどの222万9663円で購入し、わずか2年後に購 入先の会社に売却し売却代金等も明らかになっていない。このため監査請求では、「当初から売却する予定で購入されたのではないか」との疑念を示し、その売 却代金は区に返還、もしくは政務調査費収支報告書の収入に計上して適正に処理すべきと指摘している。

品川区議団
監査請求書では、宣伝カーが「日常的に本件会派の政治活動等にも使用されている」と断定していますが、私たちは、宣伝カーの使用は、区議会での活動 を住民のみなさんにお知らせする活動に使用しており、それ以外の使用はおこなわないように厳密に管理、運行してきました。「政治活動に使用した」というの なら、具体的な証拠を示してもらいたいものです。

なお、この宣伝カーは、多くの議員がひんぱんに使用したために損傷がはげしく、2004年5月に使用を中止しました。その際、業者に査定を依頼し、売却費と損耗の補てんが差し引き同額になることを確認し、処理をおこなっていますので、不明朗な点はまったくありません

公明新聞の言う通りなら汚職かとも思うが、品川市議団も反論に自信がるようだ。

公明新聞 
また、「しんぶん赤旗」の購読料など123万510円のほか、40万7400円の高額な家具や空気清浄機 2台の購入、印紙が貼付されていない3万円以上の多くの印刷費領収書、旅費として計上されていない岡山市や神戸市所在の会社のお品代、タクシー代等、内容 が不明な支出もあると指摘している。


品川区議団
毎週発行している区議会ニュース、今年で4回目になる住民アンケートなど、住民のみなさんの要求、要望を聞き、区政に反映させ、それを報告すること は、議員としてもっとも大事な活動のひとつではないでしょうか。2001年以来品川区政の大問題になった「アルゼンチン債問題」(アルゼンチンの債券を購 入、これが1億1千万円のこげつきとなり、区民に大損害をあたえた事件)でも、日本共産党区議団は、徹底した調査、議会としてのチェック、区民のみなさん に知らせる活動に力をつくしました。これにも、政務調査費が全面的に生かされました。 これらを「目的外」だと言うのなら、議員の政務調査活動をどう考えているのか、言う側がその認識を問われるものだと言わざるをえません。

赤旗の新聞代金に関しては、公明党のいいがかりだろう。共産党区議が赤旗をとらないなど考えられないし、議員数と購読期間を考えれば不当に高いとは思えない。家具も、書類用のロッカーをたくさん購入したが、それが領収書上では、単に「家具購入代」となっている可能性もある。企業のお品代やタクシー台は、目的がわからなければなんとも言いがたい。

しかし、品川区議団の説明も抽象的で説得力を欠くのも確か。新宿区議団に引き続き不正支出関連の話題が出てくるところから見ると、政務調査費に関して水面下で何かが起こっているような気が……気のせい?。