その昔……と言ってもせいぜい十年ほどだが、薬害エイズ事件というものがあった。そこで「ゴーマニズム宣言」で有名な小林よしのりが「HIV訴訟を支える会」に参加、代表に就任。彼の知名度も手伝って、若者の参加が増えたのだが、そこに民青同盟の者が入って来て、人によっては乗っ取りと言うほど大きな影響を及ぼすようになる。この会に集まった若者たちを、民青の活動家にしようと画策しているのがまるわかりだったからだ。

そこに危機感を持った小林は、代表を辞任し、「新ゴーマニズム宣言〈1〉」の一巻「十四章」で、自分の果たした役割を反省「運動をやめて日常にかえれ」と書いたことが、「HIV訴訟を支える会」に衝撃を与えた。

詳しくは研究サイトを参照していただきたいが、何か若者を引きつける社会問題があると、ともにたたかうのではなく、自分たちの好きなように振り回そうとする伝統的体質は今も変らない。

班会など、末端で活動している分には、そうした暗部はあまり見えない。つーか、見える者なら民青の活動に問題がないとは絶対に言えないのだ。