民主主義の大切な要素として「自由」と「平等」があります。アメリカとフランスはその典型的な例ではないでしょうか。

政府の干渉を嫌い、自由をひたすら追い求めるアメリカ。平等を実現するために政府の働きを積極的に求めるフランス。どちらも民主主義の旗手としての自負があるようですが、一言に民主主義といいましても、その中身はアメリカとフランスではかなり違っているようであります。

同じ民主主義でも、どうしてこのように違いがでてくるかと申しますと、それはアメリカとフランスの歴史が全く違うからであり、独立戦争を経験したアメリカ 型民主主義は、その時点で一定の平等が存在していましたから、あとはひたすら自由を追い求めることになります。かたやフランスは革命を経たあとも特権階級 は残ったままでしたので、平等を求める意識が強く残りました。

どちらの民主主義が優れているとは一概にはいえませんが、日本は歴史を含めどちらかというとアメリカ型ではなく、フランスをはじめとする欧州型に近いよう に思いますが、今の日本政府はどうやらアメリカ型の民主主義を目指しているようであります。歴史が全く違う国の真似をして、はたして上手く行くのか、とい う疑問や不安がありますが、その疑問や不安に対して各政党から明確な答えは出ていないように思います。

我が日本共産党にしましても「民主主義が花開く社会」というだけで、それがどんな民主主義なのか明確ではありません。共産党の言うことですから「平等」に 重きをおいた民主主義には違いないだろうと思いますが、その平等はどこまでの範囲を言うのか。またそれによってどこまで「自由」を制限するのか具体的なこ とは全く分かりません。

私が思うに、いまひとつ共産党に支持が集まらない理由の一つに、共産党の言う民主主義とはどのようなものなのかハッキリしないことがあるように思いますが、こういった分野でこそ、「キッパリ」説明するべきではないでしょうか。

むろん党内でも共産党の民主主義が行き届いていなければ、国民から信用されるはずはありませんが。


罵詈総論でした。