第二次世界大戦末期、米軍による日本国内への空襲が本格化する以前から、旧日本軍が新型爆撃機B29の編隊の運用方法などの機密情報を入手していたとする内部文章が、中国吉林省の公文書館に保存されていたことが明らかになりました。

保存されていたのは、関東軍憲兵隊の内部文書で、1944年12月に満州で撃墜され、捕虜になった米兵らから入手した情報が詳細に書かれておりました。たとえば味方同士の衝突を避けるため、B29の照準合わせは先頭の機がすることや、搭載されたレーダーの精度が低いために爆撃の照準用には使えなかったこと、そして照準合わせのために時速320キロの低速で10分間程度の直線飛行を続ける必要があったことなどが記載されております。
大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇
これらの文書は国内の関係機関に配布されたとみられていますが、しかしこの情報が本土防衛部隊の幹部らに周知された形跡はなく、空襲によって民間人に多くの被害を出してしまいました。こういう事は硬直した組織にありがちなことですが、もし情報が周知されていれば迎撃や被害の抑止に役立ったはずで、戦争を始めた人たちの無責任さには改めて怒りをおぼえます。

今日紹介した内部文書は、本来の役割を果たせませんでしたが、60年ぶりに見つかったこの内部文書を現代の組織に当てはめて、組織のあり方を考え直してみてはどうでしょうか。

罵詈争論でした。

管理人コメント
リンクを貼った書籍は、こうした米軍の戦法についての研究がいかに生かされなかったが書かれている。参考までに挙げました。