先日のことでありますが、我が家の猫のトイレ掃除に新聞紙を探していたところ、数年前の赤旗が出てきました。なにげなく目を通していると、ある記事を見つけました。その記事には過疎地で赤旗の配達を長年続けてきた男性の話が載っておりました。

彼が雨の日も雪の日も、休むことなく配達を続けたのは、共産党員としての使命感であり、何より『真実を伝える赤旗』を読んでもらいたい一心だったといいます。彼は配達の役目を誇りをもってやっていたそうでありますが、ついに病に倒れ、配達が困難な状況になってしまいました。
それでも配達に向かおうとする男性に、息子が声をかけます。「父さん、これからは僕が赤旗の配達をするよ」と。過疎地の脆弱な党組織にあってなお、誇りをもって赤旗の配達をする父の後姿を見て育った息子は、「いつか自分も」と思っていたようであります。まことに良い話ではありますが、共産党において、親の背中を見て育った子供が、親を誇りに思うケースは稀でありまして、それは民青同盟員の数に如実に表れております。

私の知人の男性は二人の息子を持つ父親で、町工場を営みながら党活動をしております。いわゆる業者党員でありまして、民商にも所属しているのですが、彼の奥さんも、付き合いで党員になっており、夫婦ともども党や民主団体の活動と仕事に追われ、子供が小さかった時は、学童保育に預けっぱなしだったといいます。両親とも活動家の場合、子供にろくな躾もしなかったために、子供がグレるということもあるのですが、知人の二人の息子は幸いなことにグレることは無かったようであります。

知人は熱心な活動家ではあったのですが、あまりにも仕事を怠けていたために、工場の経営は悪化の一途を辿りました。二人の息子はまだ中学生で、一人立ちしておりません。そこで奥さんが党を辞め、工場の仕事に専念すると言い出したのですが、まわりの党員から激しく非難されたそうであります。

息子はその時のことを振り返って、こう言います。「母は私たち家族が、このままでは路頭に迷うと思って、党を辞めると言ってくれた。それを非難した人たち、特に党幹部なんて自分の兵隊が減るから大騒ぎしただけだ。そんなものは無視すれば良いが、悲しかったのは、母を最も非難したのは父だった」

貧しくとも子供に不憫な思いをさせたくないと、父親として家族を必死で守ろうとすれば、子供達も大人になれば理解してくれます。しかし、それを放棄している父親など、パチンコ店の駐車場で、車内に子供を放置する親と変わりません。子供からすれば、父親の興味の対象が、パチンコであろうが党活動であろうが、父の視線が自分に向けられていないことには変わりありません。そんな父親の背中を見て育った息子は、父を尊敬することも無ければ、理解することも無いでしょう。

現在、知人の息子達は、それぞれ独立して商売をしているのですが、共産党や民主団体と関わることは、金輪際無いそうであります。

罵詈争論でした。