学校の先生というと左寄りの人が多いと言われますが、私が中学生だった頃は、既に社会主義国で行われていた、粛清や政策の失敗などが明らかになっていましたので、さすがにガチガチの左翼教師といった方は少なかったように思います。私の中学時代の恩師である、社会科の先生も多分に漏れず左寄りの方でしたが、自分の考えを押し付けるようなことはなく、生徒の疑問には誠実に答えてくれる、とても良い先生でした。
その先生の授業は、時代時代の豊富なエピソードや、自分で作った資料を交え、流れるような語り口調で授業を進めてくださるので、とても聞きやすいものでした。日ごろヤンチャな生徒でさえ、先生が工夫をして『分かる授業』をしてくれるので、ちゃんと椅子に座って授業を受けていたのを覚えています。

ロシア革命の授業の時のことですが、「ソビエトと言うのは、評議会や市民という意味です」と先生が説明していますと、一人の生徒が「民主主義と民主集中制の違いを教えてください」と質問をしました。先生はしばらく考え、中学生にも分かり易い喩えで答えました。

「一口で言うと、椅子と、電気椅子の違いみたいなものだ。」

罵詈争論でした。