私は鉄腕アトム世代ではないのですが、手塚治が描いた未来世界のいくつかは現実のものとなっています。そういうことを考えますと「たかがマンガ」とは言えないわけであります。今日紹介するのはマンガではなくSF小説なのですが、はたして近い将来現実のものになるのでしょうか。

SF作家が出版社に自分の作品を売り込みに行きました。物語は日本共産党の未来についてであります。『2036年、日本共産党は縮小の一途を辿り、地方議員の議席は500を切り、国会では衆議院の議席を一つ確保するのがやっとの状況であった。

ついに党員数が10万を切ったとき、中央委員会は重い腰を上げ、党改革に乗り出したのである。
最初に着手したのは党幹部の充実である。近年本格化した人のクローンサイボーグ技術と、人工脳の移植によって、優れた党幹部を各地区委員会へ派遣する計画であった。

割りに安価であるクローンに高価な人工脳を移植するのだが、クローンに選ばれたのは21世紀初頭に活躍した不破・志位・市田の三体で、それぞれ1000体製造された。
この三種類のクローンに高価な人工脳を詰め込むわけだが、まずは空っぽの不破0001号の頭に人工脳をセットし作動ボタンを押してみる。

すると不破0001号は、目を開くなりアインシュタインの相対性理論を説明しだした。
技術者たちはこんなに凄い頭脳だからその50%を別のクローンに移植しようと決め、脳の半分を志位0001号にセットした。すると志位と不破のクローンはピタゴラスの定理をこともなげに証明してしまったのだ。

さらに半分の脳を市田0001号に移植すると複雑な計算をいとも簡単にこなしてしまった。
いっそのこと脳をセットせずに空のまま作動ボタンを押すとどうなるか?ということになり、技術者が合計3000体のクローンサイボーグのスイッチをONにしてみると、3000体が一斉に喋りだした。

「今ほど党の値打ちが輝いているときはない!」

と状況をわきまえずに同じ演説をやり出した。しかもクローンには致命的な欠陥があり、「国会」のことを「黒海」と発音してしまう。これではクローン幹部がバカに見えるだけで党勢拡大には役に立たない。技術者たちは泣く泣く3000体のクローンを廃棄することになった。』

原稿を読み終えた出版社の担当者は、SF小説としては出版できませんと言ったそうでありますが、条件付で検討しても良いということでした。

「2036年出版予定のノンフィクションとしてなら…」

罵詈争論でした。